能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(台湾コロナ情勢)「台湾コロナパニック」(随時更新)

 台湾でもコロナパニックが始まりました。今週から本格的に、感染源不明の国内感染が広がり、在籍先でも閉鎖やオンラインへの切り替えが行われました。緊迫しつつある台湾の現場(2021/05/15)をお伝えします。

 

 

 

1. チャイナエアライン・ノボテルホテルから感染が拡大(4月20日~)

  4月20日、オーストラリアで中華航空インドネシア国籍のパイロットの陽性が確認され、それ以前の行動履歴が洗い出され、恐慌をきたすことになりました*1。そうしたなかで、航空関係者の一時隔離施設に使われていたホテルの従業員の感染が発見され、またたくまに感染が拡大していきました*2。このホテルでは、本来分離すべき検疫用と一般滞在用のホテル棟が分離されていなかったことから、罰金が課せられることになっています。

 

2. 宜蘭で感染源不明の患者が見つかり恐慌へ(5月11日~)

 5月11日、宜蘭県の羅東のゲームセンター利用者、台北市内から感染源不明の(11日当時。後に関連性が判明)感染者が見つかり、騒然となりました*3。これに伴い、指揮中心は新型コロナウイルス感染症に対する警戒レベルを2に引上げ、室内100人以上の集会については一律に中止としました*4。台湾社会では、この感染源不明の感染者が発見されたことでパニックになりました。実際に激しい混乱があったわけではありませんが、ひさびさに台湾で緊張が走ることになりました。

 

3. 台北・新北各市内でクラスターが発生(5月11日~)

 5月11日、五股ライオンズクラブの前会長の感染が判明、そこから急激に感染が拡大しました*5。この前会長の足跡が非常に広範囲に及び(女性とお茶やお酒を飲んだりするお店に通っていたと報道されています。しかも「人と人が接触する」たぐいのお店だそうで。これ以上はプライバシーの侵害ですが……*6)、この会長を起点として感染が急激に拡大、昨日(2021/05/14)の感染者は一挙に29人となり*7台北市内を中心に、多くの人々がスーパーマーケットに列を作り、市内はおおむね閑散とする状況になりました。5月13日には、国立台湾図書館、14日には国立国家図書館が休館を決定、同日、師範大学や政治大学など台北市内の主要大学が全面的なオンライン授業への切り替えを発表し、第2級警戒ですが、より厳しい第3級の実施を見越した措置が取られることになりました。1日に10例以上の感染源不明感染者が出た場合は、5人以上の会合が禁止となります。

 パイロット、ノボテルホテル、宜蘭での感染者は、遺伝子検査の結果イギリス変異株への感染が確認されました。ライオンズクラブからの感染拡大例もイギリス変異株の感染例です*8。また、感染源不明とされた事例は、昨日ライオンズクラブ⇒茶藝館からの感染であることが判明しました*9。結局、パイロット・ノボテル・ライオンズクラブ・宜蘭のクラスターはすべておなじ感染源によるものだと明らかになりました*10

 

4. 本土感染者数180人、第3級へ警戒引上げ(5月15日)

 5月15日11時前(台湾時間)中央流行疫情指揮中心の陳時中は、同日に確認された感染者が180人を越えたと発表し、警戒レベルを第3級に引き上げるとしました*11。室内5人以上の会合は禁止、公共施設の営業停止などが実施されます。前日29から180への急激な上昇は、第4級への引上げの可能性があること、もはや台湾も感染可能性が非常に高い状況まで来てしまったことを意味します……。この状況を引き続き注視したいと思います。

 

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CDC発表の警戒基準

 

 

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スーパーの商品が消えつつある(在庫は常に補給されている)

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デパートのフードコートは閑散としていた

 

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ライオンズクラブ・茶藝館・ゲームセンタークラスタの相互関係図(中央社https://www.cna.com.tw/news/firstnews/202105125016.aspx