(台湾コロナ事情)「台湾でワクチンを打ったら副反応で高熱が出ちゃった話」
おおむね内容は標題のとおりです。以前にも書きましたが、台湾では新型コロナウイルスのワクチン確保が遅れています。先日書きましたように、第2陣が届いたところで*1、全体では72万剤しかありません*2。そんななか、幸運にもワクチンを打つことが出来ましたので、その模様をお知らせしたいと思います。
※本記事は、新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する記事です。摂取したワクチンは、アストラゼネカ製。一回目です。副反応についても記述しています。しかし、本記事はワクチン接種に反対するものではなく、むしろ積極的な接種を求めます。正しく接種を受けるための事前情報としてお読みください。
※忙しい人向けの結論=新型コロナウイルスワクチンを接種することで、発熱などの副反応がある程度の確率で起こりえます。そのため、接種後二、三日は、副反応による大量不良による欠勤や欠席が発生する可能性を考慮して摂取してください。日本で主流のワクチン(ファイザー)と、本記事のワクチン(アストラゼネカ)では副反応にも差があります。
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目次
- 1. AZワクチンへの懸念から接種すすまず自費接種。予約は病院ごと!
- 2. 友人と相談の上新北市へ
- 3. 接種は一瞬、痛みもなし
- 4. 接種後の体調確認はLINEアカウントで
- 5. 接種後約12時間後に38度超の発熱
- 6. 他社製ワクチンとの違いは?
- 7. 結論:接種を受けよう・副反応は正しく怖がろう
1. AZワクチンへの懸念から接種すすまず自費接種。予約は病院ごと!
台湾では、AZワクチンの副反応に対するネガティブなイメージが後半に報道されてきました。そのため、公費による接種が思ったほどすすまず、自費接種が進められることになりました。とはいえ、留学など国外への渡航を予定する人などは、ワクチン接種が要求されることもあるということで、彼らを対象に自費接種を行うこととしたのです。結果、とくに台北市を中心に自費接種の予約は争奪戦となっていました。
自費接種の予約システムは、全国共通ではなく、病院ごとに設定されていたため、どの病院の予約が少ないかは一見してわかりにくいシステムになっていました*3。そのため、事前に予約しやすい病院を調査しておく必要があり、仕事が休みにくい社会人は平日あいている日どこにでも入れるというのはやや難しい情況でした。
2. 友人と相談の上新北市へ
台湾人の友人とどこが割合空いてるかいねえという話をしていたんですが、新北市の佛教慈濟醫療財團法人台北慈濟醫院で接種することとしました。名前にある通り、仏教系の宗教団体が運営している病院で、新北市新店区エリアでは最大規模を誇る病院です。この話はのちのち出てきます。
3. 接種は一瞬、痛みもなし
病院では比較的スムーズに進み、約30分ほどで接種へ。
教会のような椅子がおいてある大空間ですが、密回避のため人利用の椅子がおいてあります。
私の台湾の保険証には当然本名が漢字で書いてあるわけですが、 看護師さんが名前を読めずに四苦八苦していました(私の名前に使われる漢字は台湾であまり使われないのです。)
報道にも有るように、新型コロナウイルスは筋注射です。インフルエンザの予防接種と比べても一瞬で終わり、来るぞと思えば終わっています。痛みはまったくありません。その後、アナフィラキシーショックがないかを確認するため、30分ほど待機してから帰路へ。このときは特に異常はなく、仏教系医院ゆえ前で流されているえらい尼さんの法話をぼーっと眺めていました。しかし、特に副反応について説明はありませんでした。
2回めの接種は7月ですと告知され病院を出ます。
4. 接種後の体調確認はLINEアカウントで
接種経験を記録するパスポート状の紙をもらいました。また、保険証にもシールが貼られ、一度目の接種が済んだことを証明しています。
さて、接種後も健康報告が求められるのですが、アプリ(LINE)を通じて行われます。日本では、情報流出で懸念があるLINEですが、台湾ではまだまだ活用されています。批判は有るでしょうが、便利は便利です……。
5. 接種後約12時間後に38度超の発熱
その後スーパーマーケットで買い物をして帰宅、ちょっと様子を見ようと軽くランニング。マスクをしてランニングはちょっと厳しいなあという感じ。一緒に摂取した友人は全身に倦怠感が出てダメだ、という連絡があり、副反応があるんだなあと感じつつ就寝。その後夜12時頃に異変に気が付き目が覚めました。あまり熱感を感じなかったのですが、38度越え。ちょっとしたパニックに。
副反応として発熱が有ることはニュースで見てはいましたが、実際に自分の身に起こるかどうかは1/2。どんなに可能性が低くとも我が身に降りかかると一大事。とりあえず処方された解熱剤を呑みますが、そのままろくに眠れない状態が続きました。
なにせ外国に一人暮らし。おまけにどこへ行っても発熱の有無を確認される昨今、買い物へ行くのも簡単ではありません。さいわい、カップラーメンなどの備蓄はありましたが、キッチンもないこの部屋では自炊もできずに悶々と過ごすことになりました。なにより、こういった状態で「一人ぼっち」という辛さが身にしみました。
翌日も発熱が続き、解熱剤でなんとか下げているという状態。結局、熱はまる2日続きました。その他の症状は、注射部周辺筋肉の痛みと張り、頭痛、全身の倦怠感。典型的な副反応でした。
前にも書きましたが、このあたりの副反応について、病院ではきちんと説明がありませんでした。坊さんの説法を大画面で流すぐらいなら、ここで正しく情報を流してほしかったなあと感じました。症状はおおむね三日間で収まりました。いまもちょっと完全な状態ではない気もしますが、重い人だと2週間ぐらい調子がよくないことも有るようです。
6. 他社製ワクチンとの違いは?
AZはアストラゼネカ、BNTはファイザー、莫徳納はモデルナです。この表を見ますと、AZの副反応は他のワクチンより確率がやや小さいです。今までのところ、日本ではファイザーの接種が中心ですが、AZ(ベクターワクチン)とファイザー(mRNA)では根本的な構造が異なっています。ファイザーの場合、二回目の副反応のほうが強く出る傾向があると言われています。
ワクチンの種類や機能、効果の詳細についてはこちらをお読みください。
日本政府はすでに1億2千万人分のワクチンを確保しています。いろいろと批判は有ると思いますが、この点は少なくとも十分に評価できると考えます。関係者の皆様に感謝したいと思います(要らねえなら台湾にちょうだいよ)。
7. 結論:接種を受けよう・副反応は正しく怖がろう
ようやく日本でも本格的な接種へ動き出した新型コロナウイルスワクチン、副反応や副作用への懸念がしきりに報じられてきましたが、新型コロナウイルス感染症に罹患して生死をさまようことを思えば、基本的には接種すべきと考えます。また集団免疫などの点も考えれば、なるべくほとんどの人が接種すべきです。
とはいえ、本記事で書いたような、発熱や倦怠感、頭痛などの症状が現れやすいこともまた事実で、接種しやすいタイミング、体調を整えるなどの対策はとっていただきたいと思います。最悪一週間程度は寝込む可能性があることを念頭に入れての接種をお願いします。
上の記事にも有るように、血栓症の副作用への懸念から、厚生労働省も認可はしたものの、積極的な接種を行わない方向となったアストラゼネカ社製ワクチン。そのため本記事は、日本人のみなさまにとってあまり役には立たないと思います。外国でワクチンを摂取した日本人の一記録としてお読みいただければ幸いです。