(台湾ニュース)「誠品書店、信義店が24時間化へ」
小ブログでは昨年11月に、敦化南路の誠品書店がテナントの関係から5月末で閉店となることをお知らせしている。
その後、誠品書店では24時間営業の書店につき検討を重ねてきたが、今日のイベントに合わせ、6月1日から「信義店」を24時間営業に移行することを発表した。
これによると、5月29日から試験営業を始め、6月1日に正式に24時間書店としての営業を開始する。誠品信義店は、捷運市政府駅からほど近い、統一国際ビルに店舗を構える。書店だけでなく、百貨店のようになっており、地下2階のフードコートから、ファッション、雑貨、CD、文具などを幅広く取り揃えている。
書店としては敦南店よりも床面積が大きく、洋書コーナーなども見られる。現在は22時までだが、24時間書店の継続は個人的には朗報。また一番立ち寄りやすい店舗で個人的にはこの点も嬉しい。願わくはこれ以上感染の拡大が広がらないよう。
6月を楽しみに。
(台湾ニュース)「台湾海軍で新型コロナウイルス集団感染事件発生」
一昨日、遠洋航海訓練を行う海軍の「敦睦艦隊」でcovid-19への感染者が見つかり、台湾社会を震撼させる事態となっている。
今日までに24人が陽性と判明、ほとんどが症状がないと言う。
この「敦睦艦隊」は、3月5日左営を出発、12日にパラオに到着、15日にパラオを離れ、4月9日に左営へ帰還、検疫後15日に上陸した*1。4月18日になって、中央流行疫情指揮中心はこの航海に参加した3人が養成であることを確認、翌日までに参加者全員の検査を行い*2、24人の感染が確認された。全員が旗艦であった「盤石」号の乗員である。感染経路は特定できていない。
これらの濃厚接触者は255名に及び、訪問箇所は台湾全土90箇所に広がる*3。
報道によれば、3月21日にはすでに症状が見られた乗員もいながら、軍医の報告は「異常なし」であったという*4。
ダイヤモンドプリンセスもセオドア・ルーズベルトもそうだったが、閉鎖空間である艦艇で伝染病が発生した場合、その拡散を防ぐのは極めて困難かもしれない*5。
台湾での楽観論が広がりつつある中で水を差す出来事となったが、これ以上の拡大がないことを祈るのみである。
(台湾ニュース)「日台新型コロナウイルス対策比較年表」(随時更新)
昨日の記事をうけて、日本の新型コロナウイルス対策と比較した年表・図表を改めて作成しました。
日台新型コロナウイルス対策比較年表
- 12月30日 中国、謎の新型肺炎が流行と報道
- 12月31日 (台湾)WHOに対して武漢で新型肺炎発生の可能性を提起
- 12月31日 (台湾)武漢からの入国者に検疫を強化
- 1月5日 (台湾)中国における原因不明肺炎対策諮問会議招集
- 1月6日 (台湾)武漢からの入国者に対する申告体制を強化
- 1月15日 (日本)初の罹患者(帰国者)
- 1月15日 (台湾)新型肺炎を法定伝染病に指定
- 1月16日 (日本)事実上の春節開始
- 1月20日 WHO、新型肺炎のヒトヒト感染確認
- 1月21日 (台湾)初の罹患者
- 1月21日 (台湾)武漢からの団体旅行客受入停止
- 1月21日 中国、新型肺炎に関する初の政府記者会見
- 1月22日 WHO、新型肺炎への判断を留保
- 1月24日 (台湾)マスク全面禁輸
- 1月26日 (日本)武漢からの帰国チャーター便第一便東京へ
- 1月26日 (台湾)湖北省からの入国制限開始
- 1月28日 (日本)出国歴のない初の罹患者
- 1月30日 (日本)新型コロナウイルス感染症対策本部開催
- 1月30日 WHO、新型肺炎で緊急事態宣言
- 1月30日 WHO、中国への旅行、中国人の移動制限を提言せず
- 1月31日 (台湾)マスク国家徴用開始
- 1月31日 (台湾)行政院、マスク増産を指示
- 2月1日 (日本)湖北省からの入国制限開始
- 2月2日 (台湾)新学期を2月25日開始に延期
- 2月3日 (台湾)武漢から台湾への帰国チャーター第一便台湾へ
- 2月4日 (台湾)チャーター便帰国者の罹患発覚相次ぐ
- 2月5日 (台湾)中国からの入国を原則禁止
- 2月6日 (日本)ダイヤモンド・プリンセス号横浜着岸
- 2月6日 (台湾)マスク実名購入制度開始・マスクマップ発表
- 2月7日 (台湾)トイレットペーパー欠品相次ぐ
- 2月13日 (日本)国内で初の死亡例(DP除く)
- 2月15日 (台湾)初の死亡例
- 2月16日 (日本)第1回新型コロナウイルス感染症対策専門家会議開催
- 2月18日 (日本)岩田神戸大教授DP号乗船事件
- 2月19日 (日本)橋本厚生労働副大臣「清潔ルート」「不潔ルート」事件
- 2月19日 韓国、宗教団体を中心に感染拡大
- 2月21日 (日本)1ドル111円まで下落
- 2月21日 (日本)罹患者が100名突破
- 2月25日 (台湾)特別措置法制定・公布
- 2月25日 イラン、中国に次ぐ死者数に
- 2月26日 (日本)北海道、一斉休校へ
- 2月27日 WHO、新型肺炎がパンデミックの可能性示す
- 2月28日 (日本)トイレットペーパー欠品相次ぐ
- 2月28日 (日本)北海道、緊急事態宣言
- 2月29日 (日本)首相記者会見「ニ週間が山場」
- 3月2日 アメリカ、流行拡大の傾向
- 3月2日 (日本)全国一斉休校開始
- 3月3日 (日本)罹患者が1000名突破
- 3月5日 (日本)日本政府、習近平国家主席来日延期を発表
- 3月8日 (日本)中国・韓国からの入国制限開始
- 3月9日 (日本)日経平均株価2万円を割る
- 3月10日 (日本)国民生活安定緊急措置法改正(マスク転売規制)
- 3月12日 WHO、パンデミックを宣言
- 3月12日 (日本)新型インフルエンザ等対策特別措置法改正
- 3月12日 トム・ハンクス氏、オーストラリアで感染を公表
- 3月13日 WHO、「今や欧州がパンデミックの中心地になった」
- 3月16日 アメリカ、NYダウ2997ドル安(過去最大)
- 3月18日 (台湾)罹患者が100名突破
- 3月18日 (日本)中小企業支援策具体化
- 3月19日 (台湾)鎖国開始(原則入国禁止に。入国者は14日間外出禁止に)
- 3月19日 イタリア、中国を抜いて罹患者数世界最大に
- 3月23日 (台湾)罹患者が200名突破
- 3月24日 (日本)IOCと日本政府、オリンピック延期で合意
- 3月24日 (台湾)台湾での乗換も禁止に(居住者などを除く)
- 3月26日 (日本)政府対策本部設置・「お肉券」構想出現
- 3月26日 (日本)22カ国、入国拒否へ
- 3月16日 アメリカ、中国・イタリアを抜き罹患者数世界最大に
- 3月27日 (日本)安倍昭恵夫人、「桜を見る会」単独開催報道(文春)
- 3月28日 (台湾)台湾派遣のペルーからの帰国チャーター便現地出発
- 3月29日 (日本)志村けん氏死去
- 3月29日 (台湾)罹患者が300名突破
- 4月1日 (日本)布マスク配布表明(アベノマスク)
- 4月1日 (日本)73カ国、入国拒否へ
- 4月1日 (台湾)ソーシャルディスタンス政策開始
- 4月3日 (日本)給付金30万円構想発表
- 4月3日 (日本)罹患者3000名突破
- 4月3日 (台湾)公共交通でのマスク利用義務化
- 4月4日 (台湾)清明節連休に伴う観光地旅行歴を持つ者を14日間隔離
- 4月7日 (日本)7都府県に緊急事態宣言
- 4月8日 WHO、テドロス事務局長、台湾を批判
- 4月9日 (日本)罹患者5000名突破
- 4月9日 (台湾)外交部、総統WHOに抗議、#ThisAttackCameFromTaiwan 運動
- 4月11日 (台湾)チャイナエアライン改名請願
- 4月12日 (日本)首相「うちで踊ろう」動画(アベノコラボ)
- 4月12日 (台湾)中華職業棒球大聯盟開幕(世界初のプロスポーツ開幕)
- 4月14日 (台湾)36日ぶりに新規罹患者なし
- 4月14日 アメリカ、WHOへの資金供出停止を発表
- 4月15日 (日本)立憲民主党高井衆院議員自粛期間中に風俗店訪問で除籍処分
- 4月15日 (日本)日本医師会、医療崩壊の懸念示す
- 4月15日 (日本)罹患者:8,100例 死亡:119例 回復:853例
- 4月15日 (台湾)罹患者:395例 死亡:7例 回復:137例
- 4月15日 (世界)罹患者:2,006,513例 死亡:128,886例 回復:501,758例
- 4月16日 (台湾)2日ぶりに新規罹患者なし
- 4月16日 (日本)一律十万円支給方針に。給付金三十万円は撤回
- 4月17日 (日本)布マスク配布開始予定
- 4月18日 (日本)罹患者10000名突破
- 4月18日 (台湾)海軍遠洋航海実習での集団感染が発覚(24人罹患)
(台湾ニュース)「台湾における新型肺炎対策タイムライン:専門性、迅速性と一貫性」
1. 台湾で36日ぶりに罹患者0
台湾では、昨日のcovid-19(新型肺炎、新型コロナウイルス、SARS-CoV-2)罹患者が、36日ぶりに0となった*1。先週末の清明節で多くの人々が観光地へ出かけたり、帰省のため台湾内の移動が広がったために、未発症の感染者が感染を広げるのではないかと懸念されていた。一週間経った結果として、報告例はなく、清明節での移動は感染拡大に寄与しなかったとの見方が強まっている。
台湾は、現状を見れば、封じ込めにまず成功したと言えるだろう。もちろん油断はできないが、 これまでも「本土」病例と言われる、出入国歴のない罹患者の発生は少なく、またいわゆるクラスターの経過観測は徹底して行ってきた。こうした効果が奏功したと言えるが、それだけでなく、行政院衛生福利部嚴重特殊傳染性肺炎中央流行疫情指揮中心指揮官(衛生福利部長)の陳時中(鉄人大臣)を文字通りの指揮官とする施策と管理が的確、徹底したことが大きいだろう。いまだ凱歌を挙げるのは拙速と言えるだろうが、少なくとも「中間試験」の結果は出つつあると言える。
2. 専門性・迅速生・一貫性による対策
ではなぜ、台湾はこうした成果を挙げられたのか。すでにいろいろな論考が出ているが*2、それはまた項を分けて詳細に論じるとして、専門家による迅速な対応とそれを実現できる政治制度にある。これにははっきり言って台湾の運の良さ(運の悪さの裏返しでもある)もあるように思うが、最後の花道を用意されたかのような今期で退任する陳建仁副総統(台湾大学卒、ジョン・ホプキンス大学公共衛生学部流行病および人類遺伝学博士)はこの領域を専門とする人間であった(さらにはSARS流行拡大時も衛生署署長を務めた)。基本的に総統も含めた閣僚に学識経験者や政党人を加えるという現状の構成がうまく働いたのだろう。
台湾の正念場はこれからで、ワクチン・特効薬の開発がかなうまで、この現状を維持しなければならないということである。経済や外交面で、台湾はより中国との制限のもとで我慢比べを強いられることに成る。果たして国民がそれに耐えられるか。こんどは専門性から、社会的な問題に移行していく。これは被害拡大国と同様と言えるだろう。
以下、台湾におけるcovid-19対策を簡単な年表(時間軸)で紹介する。
- 12月31日:台湾、WHOに対して武漢で新型肺炎発生の可能性を提起*3
- 12月31日:武漢からの入国者に検疫を強化
- 1月初:台湾で新型肺炎に対する警戒が広がる
- 1/5:陳時中衛生福利部長「因應中國不明原因肺炎疫情專家諮詢會議」を招集。対策を議論*4
- 1/6:台湾、武漢からの入国者に対する申告体制を強化*5
- 1/15:新型肺炎を「厳重特殊伝染性肺炎」(第五類法定伝染病に指定)*6
- 1/21:台湾で初の罹患者(第一例)*7
- 1/24:マスク全面禁輸*8
- 1/26:台湾、湖北省からの入国制限開始*9
- 1/30:WHO中国への旅行、中国人の移動制限を提言せず*10
- 1/31:マスク国家徴用開始*11
- 1月末:WHOの各種会合に台湾は参加できず*12
- 2/3:武漢から台湾への帰国チャーター第一便台湾へ(中国東方航空)*13
- 2/4~:チャーター便帰国者の罹患発覚相次ぐ
- 2/5:中国からの入国を原則禁止*14
- 2/6:マスク実名購入制度・マスクマップ発表*15
- 2/15:台湾で初の死亡例*16
- 2/25:立法院「嚴重特殊傳染性肺炎防治及紓困振興特別條例」(厳重特殊伝染性肺炎防止及援助振興特別条例)制定、公布*17
- 3/18:罹患者が100名を突破*18
- 3/19:台湾、原則入国禁止に(居住者などを除く)。入国者は原則14日間の外出禁止に*19
- 3/23:罹患者が200名を突破*20
- 3/24:台湾での乗換も禁止に(居住者などを除く)*21
- 3/28:台湾派遣のペルーからの帰国チャーター便現地出発。日本人帰国者も同上*22
- 3/29:罹患者が300名を突破*23
- 3月末~4月初:日本で「第二次」オードリー・タン(唐鳳)ブーム*24
- 4/1:指揮中心「社交距離注意事項」設定*25
- 4/3:航空・鉄道・捷運・バス・タクシー利用時のマスク利用を義務化*26
- 4/4:清明節連休に伴い観光地への旅行歴を持つ者を対象に14日間の自己健康管理、外出自粛を要請*27
- 4/8:WHOテドロス事務局長、台湾を批判(ThisAttackCameFromTaiwan)
- 4/9:外交部、総統WHOに抗議、#ThisAttackCameFromTaiwan 運動
- 4/11:チャイナエアライン改名請願
- 4/14:36日ぶりに新規罹患者なし(4/15:395例 死亡7例 回復137)
*1:台湾の新規感染、36日ぶりに「ゼロ」 新型コロナウイルス | 社会 | 中央社フォーカス台湾
なお4月15日本日は2名増。ともに外国からの帰国者で隔離措置中
武漢肺炎15日新增2例確診 華航紐約返台班機又1人染疫 | 生活 | 重點新聞 | 中央社 CNA
*2:「日本とは大違い」台湾の新型コロナ対応が爆速である理由 中国との人的往来が多いのに | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
*3:【武漢肺炎】中國武漢爆發肺炎疫情 台灣疾管署:即日起登機檢疫 不排除派團訪中 | 台灣英文新聞
*4:https://www.cdc.gov.tw/Category/ListContent/Hh094B49-DRwe2RR4eFfrQ?uaId=6dDf5Z46a7G_ulIbCQmysw
*5:中国で原因不明の肺炎 台湾、届け出の対象拡大 | 社会 | 中央社フォーカス台湾
*6:疾管署自2020年1月15日起將「嚴重特殊傳染性肺炎」列為第五類法定傳染病- 衛生福利部
*7:台首例武漢肺炎病患出院 「打破台灣的零,我很抱歉,謝謝所有防疫和醫護人員」 - 康健雜誌
*8:訊息公告 - 新聞與公告 - 中華民國經濟部(Ministry of Economic Affairs,R.O.C.)全球資訊網
*9:新型肺炎 台湾、中国人の訪台制限を強化(中央社フォーカス台湾) - Yahoo!ニュース
*10:WHO:不建議限制赴陸旅遊、貿易 | 國際焦點 | 國際 | 經濟日報
*11:武漢肺炎延燒 1/31起國內生產防疫口罩全數徵用分配 | 生活 | 重點新聞 | 中央社 CNA
*12:新型肺炎で台湾がWHOから排除され続ける理由 | コロナウイルスの恐怖 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
*13:武漢包機回台 蔡英文給了對岸第一聲「謝謝」 | 政治 | 新頭殼 Newtalk
*14:台湾、中国に住む中国人の入境を全面禁止 きょうから 新型肺炎 | 政治 | 中央社フォーカス台湾
*15:口罩新制 2/6 上路 《全台健保藥局地圖》查詢哪裡可以買! - Saydigi-Tech | 點子科技
*16:武漢肺炎/台灣驚傳死亡首例!中部61歲計程車司機確診,台灣恐陷社區感染? | Heho健康
*17:紓困振興特別條例三讀 總統4小時內火速簽署 | 我嚴防新冠肺炎 | 要聞 | 聯合新聞網
特別措置法。条例は恒久法に属さないものを指す
*18:武漢肺炎增23例累計達百例 1例無旅遊史感染源未知 | 生活 | 重點新聞 | 中央社 CNA
*19:武漢肺炎/19日起非本國籍限制入境 所有入境者居家檢疫14天 | 生活 | 重點新聞 | 中央社 CNA
*20:武漢肺炎》國內再增20例均境外移入 累計破200例! - 生活 - 自由時報電子報
*21:經台北轉機抵上海後六人確診台灣宣布明晨起全面禁止旅客來台轉機
*22:台湾がペルーで足止めの日本人出国を支援 菅官房長官「深い謝意」 | 政治 | 中央社フォーカス台湾
*23:台灣武漢肺炎新增8例破300例 累計5死 | 芋傳媒 TaroNews
*24:
台湾の天才IT大臣、医療用マスクを家庭で消毒する方法を日本向けに紹介 - ITmedia NEWS
*25:https://www.cdc.gov.tw/Bulletin/Detail/YAHlbhKR2h1sRW11yBchhA?typeid=9
(台湾日記)「オンラインオンラインオンライン」(2020年4月13日)
今日は日記です。特に中身や要約すべきことはないです。
続きを読む(中国ニュース)「広州のアフリカ人:中国におけるアフリカ人差別」
中国広州で、アフリカ人に対する差別や暴力が拡大している。
3月末、広州で実施された域外から広州への流入者に対する検査で罹患が確認された全員がアフリカ人であったと報道されたことから、広州におけるアフリカ人への忌避感が強まっている。また昨日、広州の化学工場で働くアフリカ人労働者に罹患者が発見され、また彼らが逃亡したとの情報が拡散され、こうした傾向に拍車をかけつつある。
昨日アメリカのCNNは、この事象について詳しく報じた*1。広州にはもともと中国最大のアフリカ人コミュニティがあり、増加するアフリカ人(とくに黒人)に対する忌避感、差別感情がある地域であったが、covid-19とともにこうした傾向に拍車がかかるようになっているという。先述の報道が出て以降、広州ではアフリカ人に対する忌避感、アパートなどから立ち退きを強いられる、あるいはホテルへの宿泊を拒否されるなど様々な差別がエスカレートしつつ有るという。そのため、一部のアフリカ人は家を失い、しばし路上で生活を余儀なくされている。また、CNNの報道によれば、治安当局もアフリカ人への圧力を強めているようだ。
こうした自体を、アフリカ諸国は憂慮している*2。アフリカ連合委員会委員長のムーサ・ファキは、中国大使を召喚し、事態の是正を求めた他、ナイジェリアの外務大臣ジョフリー・オニェアマも中国大使と面会している。その他のアフリカ各国も憂慮の姿勢を示している*3。
My Office invited the Chinese Amb to the AU,Mr Liu Yuxi, to express our extreme concern at allegations of maltreatment of Africans in #Guangzhou+called for immediate remedial measures in line with our excellent relations.The African Grp in #Beijing is also engaging with the govt pic.twitter.com/NEBStdOCeK
— Moussa Faki Mahamat (@AUC_MoussaFaki) 2020年4月11日
Invited the Chinese Ambassador to Nigeria, Mr Zhou Pingjian to communicate @NigeriaGov's extreme concern at allegations of maltreatment of Nigerians in Guangzhou, #China and called for immediate Chinese Govt. intervention. 🇳🇬🇨🇳#StayHomeSaveLives #COVID19 @DigiCommsNG @NigeriaMFA pic.twitter.com/OXhbkXoQWf
— Geoffrey Onyeama (@GeoffreyOnyeama) 2020年4月9日
アフリカと中国との関係は、ここ10年来ながらく密接とされてきた。大勢のアフリカ人が移民として、労働者として中国へ渡り「非僑」として同地で根を張りつつある。世界最大の人口を抱える中国ではあるが、急速な高齢化が懸念されており、(安価な)労働者の確保は喫緊の課題でも有る。非僑はこうした中国の新たな屋台骨に成るかもしれない存在である。また、中国はアフリカ諸国に巨額の借款を行い、アフリカにおける中国企業進出のいとぐちを作ろうと試みている。
WHO事務局長テドロスの「中国寄り」の姿勢を、こうしたアフリカ諸国と中国との関係から「邪推」する声も多い。アフリカと中国との蜜月が、経済上、あるいは「覇権」上の同床異夢に根ざすものであれば、早晩この関係は破綻するかもしれない。両者の関係深化は、これからより問われることになるのだろう。