君の席は。
「朝、目が覚めると、なぜか泣いている。 そういうことが、時々ある。 見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。 ただ、なにかが消えてしまたったという感覚だけが、目覚めてからも長く残る。 ずっとなにかを、誰かを探している。」『君の名は。』
前回のあらすじ:大韓航空のせいで路頭に迷って羽田まで来ました。
今回のあらすじ:北京経由で大連へ。途中色々あった。
①:三大航空アライアンス
さて、ようやく羽田空港まできた我々は、中国国際航空(CA)のカウンターへ行ってチェックインをすることにしました。羽田のCAカウンターには、日本国内の業務委託先である日本航空(JAL)のスタッフがいます。
航空業界には「アライアンス」とよばれるグループがあり、このアライアンス内でコードシェアや業務委託を行うことが多いのですが、CAはスターアライアンス、JALはワンワールドと違うアライアンスに属しています。スタアラには全日空(ANA)がいるので、CAの業務委託先はANAでも良さそうなものですが。ちなみに大韓航空はスカイチームで、このスターアライアンス、ワンワールド、スカイチームを三大航空アライアンスとも言います。
このJALのスタッフにふとたずねることにしました「大韓航空で取った便の振り替えなんですが、マイルは付きますか?」と。JAL「スターアライアンスの、ANAのマイルなら付きますよ」。そこでJALにANAのマイルを付与してもらうことにしました。なんと、スカイチームの「ミス」をスターアライアンスとワンワールドが「尻拭い」をすることになったのです。これで北京に飛ぶまでに三大航空アライアンスを「制覇」することになりました。やったね。
②:『君の席は。』
なんだかんだここまで随分な時間がかかったけれど、ようやっと飛行機にのることになりました。振替便は中国国際航空182便(CA182、HND14:20→PEK17:15)。前回の記事でも書きましたが、春節ということもあって機内は満員。帰省する人民で溢れていました。で、そこでギリギリ滑り込んだのが我々です。こういう席に案内されます。
目が悪くなければ「CREW ONLY」と書いてありますね。なんというかまあ、予備座席のようです。いいんです、普通の椅子ですし、席がご用意されるだけで。ありがたいもんです。
とはいえ、これで着座して一路北京へ向かうことが出来ます。中国国際航空はその名の通り中国のフラッグキャリアですから、国際線の機内サービスはそこそこ充実しています。各座席にはテレビ画面がついており、最新の映画も見ることが出来ます。でまあ、ありました『君の名は。』。私は映画館で見ましたが、同行の越後屋が喜々として見始めたのでご相伴。
大韓航空「これってもしかして…」
中国国際航空「私たちの乗客が…」
KE・CA「「入れ替わってる〜?!」
気がついたら越後屋が号泣しててびっくりしました。いやあ映画って本当にいいもんですね~。
③:北京首都国際空港
だいたい17時に北京に着きました。お恥ずかしながら、初めての北京です。空から眺めた北京の空は茜色。北京の空は汚いことで有名でしたが、旅の疲れをいたわるような空に少しだけ心が癒やされました。すこしだけ乗り継ぎの時間があるので、鉄道に乗って街へ。空港地下鉄でだいたい30分程度です。バカでかい空港をあわただしくバタバタしながら東直門へ。残念ながら時間切れで東直門の周りを一周しただけで再び空港へ。
中国南方航空のカウンターへ行くと、「チェックインは45分前まで!」と書いてありました。到着時はちょうど45分。先客に融通してもらい、なんとかチェックイン。肝が冷えます。ふたたび制限エリアに入ったものの、待たされます。
どうやらバスで搭乗機まで連れて行かれるらしく、広大な空港をバスでうろうろ。ようやく飛行機までついたら先行しているバスの乗客がまだ乗り込み始めたばかりでした。おまえ10分以上前に出たやんけなにしてんねんと愚痴りながら氷点下5度ぐらい、寒風吹きすさぶ駐機場でしばし待たされようやく搭乗とあいなりました。
④:「ナッツ・リターン」
中国南方航空6138便(CZ6138 PEK2125→DLC2255)。純然たる中国の国内線で、当たり前ですが我々以外はすべて中国人です。またしても最後列の予備席のようなところへ突っ込まれ、満員でいよいよ飛び立ちます。が、いつまでたっても飛行機は動きません。北京首都国際空港は世界的に見ても指折りの混雑空港ですから、離陸までは相当時間がかかるようです。30分ぐらいしてようやく動き出しました。
とんでしまえば割とあっという間に到着するので、CAが慌ただしく水とスナックを配り始めます。配られたのがこれ。
さて、前々回記事と前回記事でネタにした大韓航空の「ナッツ・リターン」。覚えておいででしょうか。ここで伏線を回収しました。まさかここでこれが出てくるとは思わなかった我々、思わずため息をつき「疲れた」とつぶやきました。飛行機が大連に着いたのは夜半、23時15分頃でした。ボーディングブリッジもある立派な空港ですが、降ろされたのはなぜか空港の端っこにある駐機場。またもやバスです。氷点下10度。顔面が痛くなり寒天の下をぎゅうぎゅうに詰め込まれ空港に到着。そこからタクシーでホテルへ。24時。精根尽き果てましたが、ようやっと大連です。
次回から大連市街の模様をお送りします。
「朝、目が覚めると、なぜか泣いている。 そういうことが、時々ある。 取ったはずの席は、なぜか乗せてくれない。 ただ、なにかが消えてしまたったという感覚だけが、振り替えてからも長く残る。 ずっとなにかを、座席を探している。」『君の席は。』