能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

日本一旅館業者が少ないのは奈良ではなく佐賀。ついでにいうと滋賀も少ない(みやげばなし~その3)

都道府県「定番」おみやげ選手権その2

前回はこちらが提示したおみやげの知名度を測る形で定番のおみやげが何かを尋ねた結果を提示しました。今回は、自由回答形式で募集したおみやげをご覧頂きましょう。

下図は、そのなかで二票以上を獲得したおみやげたちです。今回は、一票のみのおみやげは省略しました。

順に見て行きましょう。 

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1位は9票を獲得した京都の「八つ橋」です。以下、白い恋人(北海道)・もみじ饅頭(広島)・うなぎパイ(静岡)が8票で2位に続き、信玄餅(山梨)・レモン牛乳(栃木)・ちんすこう(沖縄)・きびだんご(岡山)が続きます。八つ橋選手(京都代表)は前回調査に続き二冠を達成し、「魅力ある京都」を見事に体現しました*1。このなかで気になるのは、前回35位の栃木県と46位の富山県がそれぞれ2位レモン牛乳(栃木県)と10位白えびせんべい(富山県)で入賞したことでしょうか。これらの県では、先日あげた「御用邸チーズケーキ」と「甘金丹」よりもこの2つがおみやげの「定番」といえるのかもしれません。

 

つづいて、都道府県別の集計です。総合得点の横に、前回調査時の順位を付しました。

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これをみていくと、北海道の圧倒的な強さが目立ちます。2人平均で2品を挙げていることになり、また先に上げた票を見ると、複数が高順位につけているのが特徴です。また、10位以内では前回調査でも上位に付けた県が並ぶのが特徴ですが、福岡・愛媛・富山は順位を大きくあげました。その要因として、福岡は「おみやげ」として「明太子」(15位)・「博多通りもん」(23位)と中位クラスの土産が複数入ることで、総合的な特典を押し上げました。これは愛媛も同様の傾向があります。富山は先に見た「白えびせんべい」が高い評価を得た結果大きく順位を上げました。

逆に、前回調査げ比較的高順位につけながら下位に沈んだ県としては、東京(前回1位、今回35位)、長崎(前回1位、今回23位)が目立ちます。東京は、そもそもおすすめの「おみやげ」の回答数が少なく、ひとつに絞り切れないか、「東京のおみやげ」という認識自体が希薄である可能性が考えられます。また、長崎は「カステラ」に回答が集中しましたが、「カステラ」は東京でも買える、といった意識が働いた、という可能性も考えられます。

さらに、両方共下位に沈んだ県は、宮崎、滋賀、群馬、青森、大分、佐賀、島根、徳島、鳥取、和歌山になりますが、とくに大分(前回38位・今回42位)、佐賀(前回46位、今回42位)、島根(前回38位、今回42位)、徳島(前回50位、今回42位)、鳥取(前回33位、今回42位)、和歌山(前回43位、今回42位)となりました。

こうした要因として、そもそもこれらの県に旅行へ行く回数が少ないのではないのか、という疑問が立ちます。

試みに、JTBの調査「都道府県別の日本人延べ宿泊者数および日本人観光入込客総数」をみますと*2、2013年度における大分県の宿泊者は、630万1千人泊、佐賀:258万2千人泊、島根:325万5千人泊、徳島:222万4千人泊、鳥取:349万3千人泊、和歌山:425万5千人泊となりました。また、国土交通省による「宿泊旅行統計調査(平成26年1月~12月)」を見ると*3、延べ宿泊者数の下位は下から、奈良・佐賀・徳島・高知・鳥取・島根・香川となっています。

つまり、大分県を除けば、これら2つの「おみやげ」調査下位に沈んだ県は、そもそも訪問先として選好されにくい傾向にあるということがわかってきます。これは考えれば当たり前で、行く機会がなければおみやげを知る機会も少なくなるという話です。ただ、果たして問題はそれだけなのでしょうか。逆に考えれば、「おみやげ」に象徴される「名物」として希薄な県が、旅行先として選好されにくいということも言えるのではないでしょうか。

 

その辺りの話は、また次回で述べていきたいと思います。

 

では~