能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(鉄道)「南廻線藍皮車の最後」

 近況・生存報告がてら南廻線の乗車記録をご紹介します。

 

 

<基本情報>

 2020年12月23日、台湾のいわゆる本線系統で最後に残されていた非電化区間:南廻線(枋寮~台東)が全線電化され、前日には同区間で運行していた普通客車列車:普快車(藍皮車)の運行が終了しました。運行終了前週に乗り納めをしてまいりましたので写真をご紹介します。
 台湾は日本から最も身近な海外ということもあり、ご覧の皆様も一度はご乗車の機会があったのではないでしょうか。中央山脈南端を通過する南廻線は、日本統治時代初期から建設の構想はあったものの、1977年になってようやく「十二項建設」に組み入れられ85年に卑南(現:台東)~知本が開業したのを皮切りに、1991年に全通しました。 

 その後、2017年から「前瞻基礎建設計画」の一部として全線の電化が計画され、2020年に一部区間の切り替えと電化が完成しました。旧多良駅、太麻里駅付近からは太平洋が一望でき、風光明媚な路線として知られています。同区間に走る普快車は、DL牽引の普通客車列車で、まだまだ客車列車比率の高い台湾でも唯一となった非冷房客車列車でした。
 車両は、35SP32550(1968年日本製)、35SPK32600(1969年日本製)、35SPK32700型(1970年日本製)、40TPK32200型(1971年印度製)などが混用され、通常は三両で、R100型DLの牽引で運用されていました。

 

<乗車記>

・12月16日(水)

台北1046 自強422(プユマ号) 1506台東
・台東1615 普快3672次      1822枋寮
・枋寮1829 自強374       1926高雄

・12月18日(金)
・高雄0915 莒光751       1045枋寮
・枋寮1128 普快3671       1305台東
・台東1512 自強318       1731高雄

 

<印象記>

 2020年夏は多忙だったこともあり(多忙の要因はまたご紹介します)、ほとんど遠出をすることなく台北で鬱屈していました。2020年で南廻線電化、普快車廃止とは知っていたものの、台北から南端までは流石に遠く、またコロナ禍もあり(台湾の被害は小さかったものの)、実際に足を向けることが出来たのは廃止の直前でした。過去に撮影は一度行ったものの、乗車はしておらず、せっかく台湾にいるのに乗車しなければ悔いが残るだろうと考え、少し時間の空いた12月に参りました。すでに報道なので同区間の様子が報道されており、満員が予想されました。いろいろ行程を考えたものの、12月17日日中にZOOMで会議、12月17日夜に東港(屏東県)、18日に高雄で知人との会食を入れたため、やや手間になる2往復ということになりました。
 12月初旬に大雨で瑞芳~猴硐間が土砂崩れに見舞われ、直前も直前の12月14日に単線での復旧(2月3日に複線復旧)となったのは僥倖でした(台湾北部の冬は雨が多いので同時期の来訪はおすすめしません)。東部幹線は常に満員御礼なので、平日日中にも関わらず満席でした。台東駅は南廻線開業時に作られた新駅で、市街から遠く離れた辺鄙な場所にあり、この時間ではとても市街を見る余裕はありません。台東発の3672次は空いているという情報がありましたが、それでも5両編成の堂々たる編成の約半分が埋まっていました。ひさびさの汽車旅を満喫して枋寮、高雄へ。
 翌日は一日会議と仕事、会食でテツ活動はなし。なお最近高雄輕軌は一部区間が延伸しました(1月12日*1)。来訪時にはすでに工事完了の状態でした。市長が交代したため、今後も建設が続き、2023年の全線開業を目指します。
 3671次は混雑するとの前情報であったので早めに行く予定でしたが、お腹のご機嫌が斜めだったのであまり余裕のない到着に。到着時はすでに200人程度が列を作り、最終的には500人近くが乗車しました。途中まであいにく窓側が開かず、知本にてようやく海窓側へ。天候も申し分なく堪能し、その後の折返しは乗ることなくこれも引退が予想されるDC自強で高雄まで戻りました。


<アルバム>

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最後となった藍皮車

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車両自体はリニューアルのうえ保存の模様