(台湾ニュース)「“This attack came from Taiwan”」(2020年4月10日)
WHOのテドロス事務局長が、「人種差別的な攻撃にさらされており、その攻撃は台湾から寄せられたものであり、台湾の外交部も認識していながら対処せず、むしろ批判し始めた」と発言*1。
これに対して台湾の外交部、台湾社会は極めて強く反発し、FBやIG、Twitter上で様々な抗議が寄せられることになった。外交部はWHOに対して、抗議とともに謝罪を要求。中央衛生指揮処の陳時中(事実上のcovid-19対策責任者)は「台湾を批判する時間が有るならば、台湾に学ぶべきだ」と発言*2、蔡英文もTwitter、FB上で強く抗議した。
Taiwan opposes all forms of discrimination. I want to take this opportunity to invite @WHO Director-General @DrTedros to visit Taiwan & experience for himself how committed the Taiwanese people are to engaging with the world & combating #COVID19. Statement:https://t.co/C6ZCEeJDxB pic.twitter.com/YL5yxBqDPN
— 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) 2020年4月9日
一方で。台湾の捜査機関は、台湾人を騙る中国人が「台湾人として謝罪する」というメッセージを多数発していたことを明らかにしており*3、もはやテドロスの言う「ウイルスを政治に利用するな」という発言が自己矛盾に陥った状況を呈している。
Twitter上では「#ThisAttackCameFromTaiwan」のハッシュタグとともに、魅力的な台湾の食事、風景などがつぎつぎに投稿されており、タイムラインは台湾からの「攻撃」にさらされることになった*4。
周知のように、「一つの中国」原則に基づき、台湾はWHOに参加することが出来ていない。にもかかわらず、台湾の新型肺炎に対する対策は徹底しており、現段階ではまだ普通の日常生活を歩むことが出来ている。
1月末の段階で、WHOは中国への入出国、貿易などの制限を推奨しないとの立場をとっていたが*5、台湾では素早く中国大陸との人的移動や交流の制限を行った*6。もともと両岸関係(中台関係)の冷え込みから、格段に両岸交流は減少していたが、結果的には迅速な対応によって、流行を食い止めているとの認識が台湾社会には広がっている。
台湾が国際組織、機関から排除されている現実は耐え難く、また「ウイルスを政治に利用するな」との原則によるのであれば、台湾の何らかの形での参与を求めるべきであろう。
*1:Taiwan Protests WHO Leader's Accusations of Racist Campaign - The New York Times
*2:譚德塞抹黑》外交部嚴正抗議 要求道歉 - 政治 - 自由時報電子報
*3:台湾人を騙る謝罪文、SNSに続々 正体は中国ユーザー=調査局 | 政治 | 中央社フォーカス台湾
*4:推特 Twitter「This Attack Came From Taiwan」這個Hashtag威力太強大!點了太受衝擊自行負責! | Marie Claire 美麗佳人