食は万里を越える-能登屋餃子会2016-
今日中に更新できるかどうか微妙ですが(無理でした)こんばんは、能登屋です。今回は8月27日に開催いたしました、「能登屋餃子会2016」の模様をダイジェストでお伝えいたします。「勇気無きものは去れ!」と言っておきましょう。
※お時間がない方用の結論
・食品会社部門では味の素
・レンチン部門ではセブン・ローソン
・飲食店部門では王将
総合優勝は王将、手軽さは味の素。千葉の王者ホワイト餃子、埼玉の覇者ぎょうざの満洲にも高評価
・人間は一日に50個も餃子を食べられない。
ではどうぞ。
きっかけは尾張屋が市販されている餃子の中で美味しいものを知りたいといったことが発端でした。たまたま休日が土曜日であった後輩の相模屋(本ブログで度々登場する熊です)とテレビアニメ『ももくり』の一挙上映をしようと言う話が出ていたので、ついでに餃子の食べ比べもやってしまおうと本企画がスタートしました。でまあ、始まった当初は後の地獄なんて思いもよらなかったんです。軽い気持ちだったんです本当です許してください。
でまあ、話がまとまるうちに、市販餃子のくくりに、チェーンの中華料理店で販売されている持帰の餃子を含めようということになり、点数が増えていきます(これは後ほどプラス要素にもなりました)。
ということで、エントリーは三部門19品となりましたが、実食したのは以下18品です(神戸物産はこちらの都合で棄権)。えーっと、全体で300個を越えました。参加者は7人です。割りますと、およそ1人50個ですから、王将で言うところの8人前ぐらいですね。王将は餃子一日二百万個なのでだいたい王将の7000分の1スケールです。王将すげえ。
食品会社部門のチルド・冷凍餃子は、大手スーパーであるイオン・イトーヨーカドー・西友の三店舗で発見したもの、つまり日常的に購入しやすいものを購入していますが、冷凍食品の餃子はおおむね「味の素」と「大阪王将」のものが置いてありました。チルドは店によって品揃えが違いますが、日本ハムと紀文食品のものは手に入りやすいと思います。
飲食店部門は著名な餃子チェーンのうち、筆者の自宅(東京都多摩地方)で入手しやすいものを選びました。しかし、千葉ローカルであるホワイト餃子は千葉から参加の「米屋」、都心中心の大阪王将の持帰生餃子は尾張屋に調達をお願いしました。ぎょうざの満洲は埼玉県を中心とした関東ローカルですが、近年関西にも進出中です*1。あとは横浜の中華料理店、聘珍樓なんですが、これはイトーヨーカドーの「餃子フェア」で入手しました。通販で販売されているものとは違うようですが…(箱を捨ててしまったので真相がわかりません)
レンチン部門は調理済みで、レンジでチンすれば食べられるもので、焼き目もついた状態で入っています。
焼きを担当したのは餃子店での勤務経験もある尾張屋先生。実食と審査を担当したのは、「雑食性で冬眠前はひたすら脂肪を蓄える相模屋」、「知り合いの中華屋に餃子生地を練ってもらう能登屋」、「餃子のプロとして真理を追求する尾張屋」、「とりあえず寿司食わせろ寿司屋」、「実刑は重いぞ誕生日おめでとう下白滝屋」、「売るのは模型食べるは素麺今日のところは焼き餃子、越後屋」、「大人の色気ミシュランTで登場米屋」の男7人(20-30代、めっちゃ偏ってるんで本当にご参考)でした。彼等が5点満点で得点をつけ、35点満点で採点しました(味見に相当のバイアスがかかっているので、以下の得点は総て「個人の感想」です)。
◯食品会社部門
講評:トップは味の素。全員が4点をつける大健闘。日本一売れている冷凍餃子ですが、その味は確かなもの。肉・野菜のバランスが良く、臭みもないことが高評価。これが頭一つ抜けており、以下アイワイフーズ(イトーヨーカドーの子会社)、日本ハム、紀文食品、マルマツと続きます。全体の傾向として、チルド餃子よりも「冷凍餃子」の方が評価が高い傾向があり、この部門だけでなく総合でも最下位であったエントリーナンバー10、イオンリテールストアの「棒餃子」もチルドでした。一方で、トップバリュブランドの冷凍餃子も評判は芳しくありませんでした。こちらは肉の量が少なく感じたのと、肉の味が微妙な感じという評。この部門の結論的に言えば、冷凍餃子かチルド餃子に迷うなら冷凍餃子。しかも味の素を選ぶと平和かなあというところです。
以下の写真は曇ってますが、味の素です。
◯レンチン部門
講評:こちらは3つしかありませんのであっさりと。実は、セブンプレミアムもローソンも製造は「味の素」です。上記の結果から見れば、約束された勝利が見えるようですが、実際はやや低く両者とも総合的には平均にとどまりました。やはり焼いたほうが美味しい。あと、ローソンとセブンプレミアムは味が同じかと思いきや、セブンプレミアムの方がこしょう感があります。商品名にも反映されていますが、アクセントとしては悪く無いと思います。全体として同点でしたが、ややローソンのほうが評価が高かったです。個人的にはこしょう感がつよいセブンのほうが好みでしたが、この辺りは微妙な差。いずれにせよ、スーパーでチルド餃子買うよりは、コンビニでレンチン買ったほうが楽で美味しいと思います。以下の写真はローソンセレクト。
ちなみに、今回はあんまり美味しくなさそうな方から食べていこうという感じではじめたので、チルド・冷凍を中心に食べ進めましたが、ここまでで全体300個中200弱。審査者の顔が死に出しました。
目線が虚ろで空を見つめている熊、怖いぞ。こんなにも餃子がしんどいとは…。ただ、この辺から「おそらく確実に美味しいであろう枠」、飲食店部門が始まります。
今回非常に面白かったのは、やはり評価が低い餃子はみなの手が進まず、美味しい餃子はものの30秒ぐらいで綺麗になくなることです。非常に分かりやすかった。
では、約束された勝利へまいろう。
◯飲食店部門
選評:餃子の王将が飲食店部門を制覇、同時に総合優勝を決めました。西日本出身者、東日本出身者がほぼ半々だったんですが、みなに馴染みがある味ということでしょうか。皮と餡のバランスもよく、肉の味もしっかりしています。次いで千葉の王者ホワイト餃子。下の写真でも分かりますが、厚めの皮を「揚げ焼き」にしていく独特の調理法も相まって、香ばしく香り高い感じに。皮の旨さが圧倒的でした。さらに埼玉の覇者ぎょうざの満洲。こちらもホワイト餃子ほどではありませんが、しっかりした皮に野菜が美味しい。個人的には一番のヒット。あとから余ったものを食べた妹も高評価でした(貴重な女性の意見)。聘珍樓は、全体的に大きく肉厚で食べごたえもあり、肉もしっかりしていてチルドでは最高評価。日高屋も冷凍で扱いやすく、非常に無難なので常備としては有用性が高いと思います。
ただ一方で非常に残念な結果に終わったのは、大阪王将。こちらは店頭販売の生餃子とスーパーで買える冷凍餃子の二種を食べましたが、なぜか冷凍餃子の方が評価が高い結果に。コメントを見ると、生餃子は香味野菜の味が強く、個性が打ち出しすぎた感じがありました。冷凍はニンニクが入っていないので、全体にマイルドなのかもしれません。写真はホワイト餃子。
◯総合評価
総合優勝は、餃子の王将で34点(35点満点)。コスパがやや悪いのが難点ですが、比較的入手しやすく、焼きやすい餃子で家庭でも手軽に美味しい餃子が食べられます。ついでホワイト餃子(31点)ですが、調理方法が独特なので、店頭でプロがおいしく焼いたのを食べるのがベストでしょう。コスパと味のバランスでは満洲(30点)の良さが光りました。やや店舗が限られるのが難点ですが、本格的な餃子が単価25円で購入できるのは革命的です。
一方で、スーパーで手軽に買うなら冷凍餃子で味の素一強。単価も15円程度と非常に効用が高く、調理方法も簡単。しかも冷凍できるので賞味期限を気にしなくてOK。主婦の最強の味方と言えるでしょう。
以上のように、単に餃子一つとっても非常に奥深い世界が広がっており、味にも千差万別があることが能く分かりました。ひとくちに味の素といっても、キチンと販売主の需要に応えているのだなあという感慨もありました。これが今回の学び。
今回の「能登屋餃子会2016」審査団の評価としては、普段使いは味の素がベスト。あとはお好みで王将・満洲あたりを攻めて見るのはいかが?小腹がすいたらローソンかセブンでチン餃子を!
あと、何度も繰り返しますが、個人の感想です。販売元、スーパーとは一切関わりありませんし、お問い合わせはお控えください。よろしくお願いします~。
余談:なんか翌日(つまり今日)やたらと餃子を食べに行っていた人が多かったんですが、それだけこの企画にインパクトが有ったのかなと思います。みんなで食べよう餃子(わたしは当分いいです)。
追記:尾張屋が焼き手の目線での感想を書いてくれましたのでリンクを貼っておきます。