能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

トワイライト乗車記

2月28日に連れ立って寝台特急トワイライトエクスプレス』に惜別乗車してきました。甚だ簡単ではありますが、乗車記をば。

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 いまさら説明不要とは思いますが、『トワイライトエクスプレス』とは、1989年7月から2015年3月まで、大阪~札幌間約1,500kmを約22時間かけて踏破する寝台特急です。この3月で、北陸新幹線金沢開業に伴う北陸本線一部区間の三セク転換、北海道新幹線函館開業に向けた青函トンネル工事、さらに車両自体の老朽化といった諸要因から、惜しまれつつ廃止されました。

 我々平成初期生まれにとっては、『北斗星』と並んで子供の頃からの憧れの存在であり、深緑色の車体はブルーの寝台特急たちのなかでもひときわ目立つ存在であり、豪華な車内や食堂車のサービスなど他の営業列車と比較しても際立った存在でありつづけました。

 幸いにして、B寝台を4枚抑えることが出来たため、ただこの列車に乗るだけのために大阪から北海道へ向かいました。大阪11時50分。お見送りの方々をかき分けるようにして車内へ。

 さて、22時間にも及ぶ汽車旅では、だいたい3食を車内で摂ることになります。車内でうまく食事にありつけるかどうか分からなかったので、乗車前に阪神百貨店の地下でいろいろ買い込んでいったのですが、運良く?ランチを車内で摂ることができました。

 ランチメニューはカレーライスやオムライスなどがありますが、私はマカロニグラタンを選択。スープとライスのセットで。

トワイライトランチ1

トワイライトランチ2

  よく考えて見れば、「シ」に乗車するのは初めてで(最後にならなければよいのですが)、「流れる車窓を眺めながら食事をする」というかつてはあたりまえであった風景をグレードアップした形で体感できます(さらによく考えて見ればこの車両はもとサシ481に当たるので、「電車」の食堂車にも初めての乗車)。

 

トワイライトつまみ

 寝台特急といえば、「刺し身と酒」です(いつぞやの「あけぼの」もそうでした)。昼食を摂ったのが金沢を出たあたりでしたが、この酒盛りが始まったのは富山を出て親不知あたりだったでしょうか。「トワイライト」を睨みながら刺し身で一献。罰が当たりそうなお話ですね(肝心の日本海に沈む夕陽という気の利いた写真がありません)。

そうこうするうちに直江津へ。

 トワイライトロゴ

 この明治時代から続く鉄道の要衝も、春にはまた姿を変えます。余談ながら、この列車は11人の機関士がリレーして列車を札幌へと誘うわけですが、今回は大阪から敦賀間を担当された機関士が素晴らしい腕前の方でした。機関車を操る旅客会社の乗務員もさらに減っていくのでしょうね。

 つい先程刺し身を食べていましたが、夕食です。本来お昼に食べる予定であった弁当も並んでいるのでやたら数があるように見えます。左手の500系、右手のトワイライトは淡路屋の駅弁です。これが本来お昼に食べるはずだったもの。真ん中の黒い二段重がトワイライト特製2段重です。これは大阪始発列車限定のもので、1850円。なかなかのボリューム感でお値打ち感がありました。

トワイライト弁当

 

 

 腹がくちくなったら車内を探訪します。トワイライトは新津を出ると洞爺まで止まらず、約12時間旅客が車外に出ることはできなくなります。もはや夜の帳が下りた車内はさながらオリエント急行殺人事件のような雰囲気を感じさせました(画像上はBコンパート、下はロビーカー)。

トワイライトハネ

トワイライトロビー

 秋田を過ぎ、上下列車が二回目の離合となる奥羽本線大久保駅を発車した辺で眠りにつきました。ここまでの車窓では、福井県今庄付近ぐらいでしかまとまった雪は見ていませんでしたが、奥羽本線沿線はさすがに白く、雪あかりでほのかに白い車窓を時折スパーク光が煌めく様子は幻想的でした。こうした夜行列車の雰囲気も歴史の彼方へ走り去ります。

車窓

 改めて今回の反省点を見てみますと、車窓をあまり撮らず、やたら食事の写真が多いということです。というわけで朝食の模様。

トワイライト朝食メニュー

トワイライト朝食1

トワイライト朝食2

  噴火湾を右に睨み、室蘭の鉄鋼所や苫小牧の製紙工場を左右に振り分けながら本州とは打って変わってひろびろとした景色を副菜としつついただく朝食はまた格別のもの。日高地方ではサラブレッドの飼育が盛んとの案内放送を耳に入れつつ、列車は一路札幌へ。

 

札幌駅

22時間の長旅を終えた車輌はどこか誇らしく、優しげでありました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

札幌ではなにをするでもなかったのですが、あまりにも長くなるのでその辺りの話はまた次回にでも。

ではでは~

 

>オマケ

◯同行したあくあさんのトワイライト撮影記録

aqueous-triplog.hateblo.jp