能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(台湾ニュース)「さよなら『チャイナ』エアライン?」

  •  1. 台湾と中国が繰り広げる「マスク」外交
  • 2. 台湾で「チャイナエアライン」の社名改称が話題に
  • 3. 台湾で進む「正名」という考え方が背景に
  • 4. 改称の流れと国の同意:懸念は「中国」要素

 

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岐路に立つチャイナエアライン
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(中国ニュース)「広州のアフリカ人:中国におけるアフリカ人差別」

 中国広州で、アフリカ人に対する差別や暴力が拡大している。

 3月末、広州で実施された域外から広州への流入者に対する検査で罹患が確認された全員がアフリカ人であったと報道されたことから、広州におけるアフリカ人への忌避感が強まっている。また昨日、広州の化学工場で働くアフリカ人労働者に罹患者が発見され、また彼らが逃亡したとの情報が拡散され、こうした傾向に拍車をかけつつある。

 昨日アメリカのCNNは、この事象について詳しく報じた*1。広州にはもともと中国最大のアフリカ人コミュニティがあり、増加するアフリカ人(とくに黒人)に対する忌避感、差別感情がある地域であったが、covid-19とともにこうした傾向に拍車がかかるようになっているという。先述の報道が出て以降、広州ではアフリカ人に対する忌避感、アパートなどから立ち退きを強いられる、あるいはホテルへの宿泊を拒否されるなど様々な差別がエスカレートしつつ有るという。そのため、一部のアフリカ人は家を失い、しばし路上で生活を余儀なくされている。また、CNNの報道によれば、治安当局もアフリカ人への圧力を強めているようだ。

 こうした自体を、アフリカ諸国は憂慮している*2アフリカ連合委員会委員長のムーサ・ファキは、中国大使を召喚し、事態の是正を求めた他、ナイジェリアの外務大臣ジョフリー・オニェアマも中国大使と面会している。その他のアフリカ各国も憂慮の姿勢を示している*3

 

  

 

  アフリカと中国との関係は、ここ10年来ながらく密接とされてきた。大勢のアフリカ人が移民として、労働者として中国へ渡り「非僑」として同地で根を張りつつある。世界最大の人口を抱える中国ではあるが、急速な高齢化が懸念されており、(安価な)労働者の確保は喫緊の課題でも有る。非僑はこうした中国の新たな屋台骨に成るかもしれない存在である。また、中国はアフリカ諸国に巨額の借款を行い、アフリカにおける中国企業進出のいとぐちを作ろうと試みている。

 WHO事務局長テドロスの「中国寄り」の姿勢を、こうしたアフリカ諸国と中国との関係から「邪推」する声も多い。アフリカと中国との蜜月が、経済上、あるいは「覇権」上の同床異夢に根ざすものであれば、早晩この関係は破綻するかもしれない。両者の関係深化は、これからより問われることになるのだろう。

 

 

(台湾ニュース)「“This attack came from Taiwan”」(2020年4月10日)

 

 WHOのテドロス事務局長が、「人種差別的な攻撃にさらされており、その攻撃は台湾から寄せられたものであり、台湾の外交部も認識していながら対処せず、むしろ批判し始めた」と発言*1

 これに対して台湾の外交部、台湾社会は極めて強く反発し、FBやIG、Twitter上で様々な抗議が寄せられることになった。外交部はWHOに対して、抗議とともに謝罪を要求。中央衛生指揮処の陳時中(事実上のcovid-19対策責任者)は「台湾を批判する時間が有るならば、台湾に学ぶべきだ」と発言*2蔡英文Twitter、FB上で強く抗議した。

 

 

 

 一方で。台湾の捜査機関は、台湾人を騙る中国人が「台湾人として謝罪する」というメッセージを多数発していたことを明らかにしており*3、もはやテドロスの言う「ウイルスを政治に利用するな」という発言が自己矛盾に陥った状況を呈している。

 

 Twitter上では「#ThisAttackCameFromTaiwan」のハッシュタグとともに、魅力的な台湾の食事、風景などがつぎつぎに投稿されており、タイムラインは台湾からの「攻撃」にさらされることになった*4

 周知のように、「一つの中国」原則に基づき、台湾はWHOに参加することが出来ていない。にもかかわらず、台湾の新型肺炎に対する対策は徹底しており、現段階ではまだ普通の日常生活を歩むことが出来ている。

 1月末の段階で、WHOは中国への入出国、貿易などの制限を推奨しないとの立場をとっていたが*5、台湾では素早く中国大陸との人的移動や交流の制限を行った*6。もともと両岸関係(中台関係)の冷え込みから、格段に両岸交流は減少していたが、結果的には迅速な対応によって、流行を食い止めているとの認識が台湾社会には広がっている。

 台湾が国際組織、機関から排除されている現実は耐え難く、また「ウイルスを政治に利用するな」との原則によるのであれば、台湾の何らかの形での参与を求めるべきであろう。

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ThisAttackCameFromTaiwan

 

(台湾日記)「ひたひた」(2020年4月9日)

 お久しぶりです。

 気をはらずに適当な日記を書いていきます。

 書かない日もあります、内容もない日もあると思いますが。しばしお付き合いください。

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(雑録)「今年もありがとうございました」

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今年も色々ありましたがよろしくお願い申し上げます。

 

 ご無沙汰をいたしました。本業多忙と、首と肩を痛めてしまったためにしばらく戦線を離脱しておりました。今年は例年と比較して真面目に執筆いたしましたが、いたらぬことも多々ありました。来年ものんびりやっていきたいと思います。

 よいお年をお過ごしください。

 

(台湾ニュース)「遠東航空、営業再開?それともやっぱり廃業??一夜明けなお混乱」

 

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再び飛び上がるのか?(ゆだなか氏撮影)

 昨日、当ブログでも詳報した遠東航空(ファーイースタン航空)の突然の航空券販売、運行停止の発表ですが、一夜明けた今日、また二転三転の展開が見えてきましたのでご報告します。

notoya.hatenablog.com

 

①:張鋼維董事長が会見、営業継続への意志を発表

 昨日「雲隠れ」していた遠東航空の張鋼維董事長ですが、本日13日午前記者会見し、今回の事態は悪性の倒産ではなく、従業員の解雇・レイオフもなく、担当者の「誤解」であったと釈明、そのうえでこの二週間新たな投資者も発掘し、営業を継続する用意があると発表しました*1。これを受けて、邦字メディアでも「営業再開」を報じるものがありましたが、すでに報道もあるように、簡単にはコトは進まなさそうです*2

 

②:昨夜すでに民航局は廃業を承認

 台湾の航空当局である、民航局は昨日遠東航空の経営者(副董事長)とともに会見し、廃業に向けた手続きを進めると発表、予告のない廃業であるために*3、民用航空法第112条の規定に基づき、罰則を課すなどを明らかにしていました。本日の董事長の会見を受け、民航局は12日夜付で遠東航空に対する営業許可の承認を廃止していることを明らかにしています*4。総合すると、報道を見る限りでは、民航局は遠東航空が昨12日要請した「営業許可の取り消し」の取り消しに応じる見込みはなさそうで、また復航にしても最大2億元超の罰金が課せられる見込みであり、目下4千万元の資金猶予しかないとされる遠東航空がそれに耐えられるかは不明で、即時の営業再開はやはりありえないものと思えるのですが……。もう少し様子見です。