能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(香港ニュース)「香港警察、香港理工大学を包囲。攻城戦に」

 

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 先日、香港警察が香港中文大学へ突入した記事を書きました。そこから数日、11月17日から、香港警察は香港理工大学(理大、PolyU)を包囲し、制圧に向け実弾の使用も辞さない構えを示しています。

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見通しのない香港

①:香港理工大学の位置

 香港理工大学(以下、理大)は、香港九龍半島の「紅磡」駅すぐよこに所在しています。学生数は約2万、香港で三番目に大きな大学です。

 地理的には、九龍半島香港島を結ぶ要地に位置しており、細長いキャンパスとなっています。

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②:理大では18日からデモ隊と警察が衝突

 すでに、AFP、BBCブルームバーグなどの欧米系メディアが邦字記事をいくつか発表していますので、本稿はやや蛇足の向きがあります。

参考:

www.afpbb.com

www.bloomberg.co.jp

 かいつまんで述べますと、先週の香港中文大学などへの警察の「攻撃」状況から、理大などにデモ隊が籠城の動きを見せていました。これに対して、香港警察は18日から本格的な排除に向け、理大を包囲し、4つの出入り口を封鎖しました。

 デモ隊はこれに対抗し、正門にバリケードを設置し、火を放つなど警察に対する抵抗をはじめました。警察は、状況が膠着しつつある中で、局面打開に向け「実弾を使用する可能性」に言及、18日には実際に数発の実弾が使用された模様です。

 キャンパス内には、未成年を含む数百名の学生、デモ隊などが籠城していると見られます。彼らは、香港警察に逮捕されれば、最長で10年程度の実刑を受ける可能性があるため、警察に見つからずに脱出する方法(歩道橋から縄で)が試みられましたが(これに対して、香港市民の一部はバイクで支援を試みました)、警察はこれに対しても催涙弾を発射し、逮捕に踏み切っています*1

 警察側は、放水銃や催涙弾など、デモ隊は火炎瓶などで応酬しています。

 

③:局面打開に向け「校長」らが仲裁

 これまでに、キャンパス内には多くの未成年(18歳未満)が含まれることから、彼らをキャンパスから連れ出すために(逃がすため)、立法委員、高等学校の教員や宗教関係者(神父・修道女・牧師など)らがキャンパスへ入り、記録を作成した上で、未成年200名程度をキャンパスから離脱させています*2。彼らはひとまず「逮捕」を逃れられますが、成人は基本的に逮捕勾留される可能性があります。

 

④:キャンパスに籠城したデモ隊は数百名規模

 香港政府によると、これまでに約600名がキャンパスから離れ、まだ約100名程度が残留しています。このうち、200名が未成年という状況です*3

 アメリカのポンペイ国務長官はこの件について、アメリカは常に香港のこうした動きを注意していること、一方的な暴力は甘受できないとのコメントを発表しています*4

 なお中国の駐英大使、劉曉明は18日、イギリス・ロンドンで記者会見を開き、現下の香港における各種の暴力行為は、「民主自由とはいささかの関係もなく」、平和的なデモではなく、目的は香港の法制度と一国二制度の破壊であると批判しました。
 習近平中国国家主席は、これまでの林鄭月娥行政長官との会談の中で、中国政府が香港警察の厳正な公務執行を支持し、司法機関の方に基づく暴力犯罪分子の処罰を支持すると伝えています*5

 林鄭月娥行政長官はFB上で、負傷した警官を褒め称えるとともに、デモ隊の暴力を批判し、なるべく早く投降するよう示唆しています。

 なお香港では、先日長官が交代しています(また近日述べます)。

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