(台湾政治外交)「謝長廷台湾駐日代表、即位礼に参加」
日本では昨日10月22日火曜日、即位の礼が挙行され、内外に天皇への即位を宣言しました*1。この即位の礼には、謝長廷台北駐日経済文化代表処代表も参加したことが明らかになりました。
①:世界183各国2000名の来賓が参加するビッグイベント
この即位の礼では、世界183の国から2000名もの来賓が参加し、オランダのアレクサンダー国王、スウェーデンのカール16世グスタフ国王、イギリスのチャールズ皇太子などが参加しました*2。
いわゆる皇室外交の最高峰となるわけで、世界の首脳が集まるイベントとしてはサミットどころの騒ぎではなく世界でも屈指の規模のイベントとなり、関係者皆様のご苦労は察するにあまりあります。
航空機マニアとしては、世界各国の専用機などが東京へ続々飛来する楽しみ、警察マニアとしては日本中から集められた応援部隊、自衛隊マニアは礼砲などいろいろなポイントがあり、オタク的にも興味のそそられるイベントです。
②:謝長廷代表ほか香港の林鄭月娥行政長官らも参加
さて、この即位の礼、正殿の儀には、台湾の「台北経済文化代表処」の謝長廷代表も参加していました。台湾の謝長廷氏だけでなく、香港の林鄭月娥行政長官、崔世安行政長官も参加していましたので、彼らと「同列」の扱いということになるのかもしれません。
しかし、謝長廷氏は即位の礼、饗宴の儀には参加せず(できず?)とのことです*3。
謝長廷氏はいわゆる駐日大使として、現実的に訪日が難しい蔡英文総統の名代として参加したわけですが、過去には行政院長(首相職に相当)を務め、「格」としては単なる駐日代表以上の存在ではあります。
謝長廷氏はFacebook上でも、即位の礼に参加した感想を語っています。
③:平成の即位の礼でも駐日代表が参加
台湾代表が即位の礼に参加するのは初めてではありません。平成の即位の礼においても、当時の駐日代表であった蒋孝武氏(蒋経国の次男、1991年死去)も参加しており、前例を踏襲した形となりました。
このほか、蔡英文総統はTwitter上でも即位の礼への挨拶を発表しています。
天皇陛下の即位礼正殿の儀に際し、衷心よりお慶びを申し上げます。令和の代も幾久しく佳き時代になりますようお祈りいたします。
— 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) 2019年10月22日
今日東京の空にかかった虹のように、台湾と日本の絆がますます美しく強まることを心より祈念いたします。
先日日本で開催された中華民国の国慶を祝うイベントで「安倍晋三首相」の祝電が寄せられ、台湾・中国から反応を呼ぶという「事件」がありました。
日本の関係者がこれを否定する一方で、中華民国外交部は「確かに安倍首相から寄せられたもの」と表明するなど、微妙な事件となりましたが*4、台湾代表が即位の礼に参加したことは、引き続き日台関係が良好であることをアピールする機会となったようです。