能登屋備忘録

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(台湾社会)「台湾の電力事情」

 こんにちは、今日は台湾のエネルギー事情についてお話をしたいと思います。

 台湾は日本と同じく、ろくに一次エネルギー源に恵まれていない国なので、どうしても日本とその特質・形態が似ています。とくに近年では、三箇所ある原子力発電所の全廃を目標にしているため、火力発電の比率が高まっていることが特徴的です。

 こうした台湾の電力事情について簡単にご紹介していきましょう。

①:消費量と発電量

  日本での年間電力消費量は約1兆kwhですが、台湾は約2600億kwhです。人口比を考えるとやや多い気がします。このうち約54%が工業で利用され、一般住宅では約18%が利用されています。

 これに対して、発電量は2019年に発表された2018年のデータによると、約2,763億kwhで、発電容量(出力)は、5,268万kwとなっています。単位が違うので注意して下さい。

 

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発電量の推移(右軸が火力、左軸はそれ以外。台湾電力データより)

 

②:全体の85%が火力発電によって供給

 当然ながら、発電量は一貫して増加しており、ここ30年ではその増加の大半を火力発電が担っています。目下、総発電の約85%は、火力発電がしめており、全体の約46%は石炭発電、約35%が天然ガス、約6%が石油発電となっています。いずれにせよ、火力発電の比率がかなり高いことが特徴になっています。

 残りの15%のうち、10%を原子力を、約2%が水力、太陽光と風力が1%とごくごくわずかとなっています。

 

 

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発電量(2018)

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発電容量

 

③:発電所の分布と傾向

 下図のように、基本的に、全島に火力・水力・原子力発電所は分布しており、目下稼働している原子力発電所は南北1箇所ずつ設置されています。なお1箇所は現在退役にむけた作業が進行中で、2025年までに原子力発電を全廃する予定となっています。

 このうち、発電量が大きい発電所は、台中火力発電所台中市、定格出力5780MW、世界第二の火力発電所)で、石炭発電の火力発電所としては世界第二の規模を誇ります。それについで大潭火力発電所桃園市、定格出力4980MW)、こちらも天然ガス発電所としては世界屈指の規模を誇ります。このほか、高雄には興達火力発電所高雄市、定格出力4360MW)があり、北・中・南部にバランスよく発電所が配置されている感じがです。

 しかし、消費バランスからみれば、北部が消費量に対して発電量が不足していることから、中部から北部への送電が行われることが前提となっており、台湾では南北にいくつもの高圧送電線が設置されていることが見て取れます。

 2017年8月15日に、大潭火力発電所の燃料供給がうまく行かなかったことでブラックアウトし、台湾全土で停電に見舞われるという事件があり、普段から数%しか余力がなく、特に北部では日常的に消費電力が足りないという現状で、この解消に向けた火力発電所の増設が今後計画されています。

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発電所の分布

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負荷

<参考文献>

107年全國電力資源供需報告 - 政策與措施 - 經濟部能源局(Bureau of Energy, Ministry of Economic Affairs, R.O.C.)全球資訊網

台灣電力股份有限公司

https://www.taipower.com.tw/upload/212/106%E5%B9%B4%E9%95%B7%E6%9C%9F%E9%9B%BB%E6%BA%90%E9%96%8B%E7%99%BC%E6%96%B9%E6%A1%88(10610%E6%A1%88-107%E5%B9%B41%E6%9C%88%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E6%A1%88).pdf