能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(台湾政治外交)「台湾、ソロモン諸島と断交」(台湾ニュース)

notoya.hatenablog.com

 

 さて、2週間前にお伝えしましたが、現在台湾と国交を持つ17の国のうち、太平洋地域で最も人口・面積が大きいソロモンが台湾と断交し、中華人民共和国と国交を結ぶことを決めました。これを受けて、中華民国ソロモン諸島との断交を発表しました*1。中国としては、10月1日に迎える建国70周年の国慶節を前に台湾の鼻を明かしたかったのでしょう。

 

 既報のように、ソロモン諸島はソバガレ首相が首相職に復帰して後、その外交方針を見直してきました。一方で、ソロモンの住民の8割が台湾との断交に反対、国会の過半数も反対しているとされる中での断交は内閣による専横であるとの批判も上がっています。また、中華人民共和国は国交樹立にあたって、ソロモンに対して5億米ドルの支援を約束したと伝えられています*2

 蔡英文政権になってから6カ国目の断交ということで、局面が厳しくなってまいりました。先日にも繰り返しお伝えしていますが、半年後に迫った総統選挙に向けて、蔡英文政権にとっては手痛い失点、対立候補からすれば大きな攻撃材料となることでしょう。

 一方で、私も先程友人とこの話題について話をしましたが、彼の反応はあっけらかんと「いや節約できてよかったね」でした。FBでこれに関する外務大臣会見の生中継を見ていても、こうした「こんな金のかかる外交なら断交したほうが良い」「お金を節約して高鉄を屏東へ伸ばそう」といったコメントが見られました。台湾国内でも、外交関係を維持するために巨額の費用を要することには否定的な意見が多いようです*3

 確かに、中華民国としては、外交関係を持つ国家が大いに越したことは有りませんが、その多くが台湾との格別の関係が深い国家ではなく、貿易等のメリットが見いだせない国が多く、金銭や人的支援に多大な費用を要しているのも事実なようです。

 

www.bbc.com

 

 しかしながら、こうした断交は他の外交関係を有する国を更に減少させる危険性が有ります。とはいえ、台湾として望ましいのは、正式な外交関係がなくとも、経済・貿易、人的交流の深い各国との関係の強化でしょう。

 

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 アメリカとの関係は言うに及ばず、日本やオーストラリア、韓国、カナダなどの比較的友好的な関係を保つ諸国や、ドイツ・フランスなど人権への意識が高い国家に対する働きかけが今後一層重要な意義を持つようになるでしょう。

 

www.peoplenews.tw


 

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中華民国の明日は…