能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(台湾日常生活)「台電マンホールコースター」

 今日はちょっとカルチュアな話をします。

 台湾でここ数年流行っているものに、「文創」というものがあります。文化創意産業、Cultural and creative industryの略なのですが、意味としては、文化、創造、そして産業の融合により新たな価値を生み出すということで、産業の中に創造性や文化性を見出すというものです。自分で書いていてもよく分からないのですが、これまで工業的なものとされ文化や芸術とは馴染みのなかった産業に、文化や芸術を融合させる、カルチュア化するといった認識でしょうか。

 そういった中で、多くの施設が「文創」化しています。旧台灣菸酒の松山、華山工場跡の再開発はその代表例と言えます。こうした文創化に貢献しているのが、誠品書店に代表される新たなムーブメントなんですが、またこれについては後に述べたいと思います。

 

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華山1914文化創意産業園区

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日本統治期に専売局の酒造工場として建設された

 いずれにせよ、ここ数年来の台湾では、こうした「カルチュア化」が流行しており、これはまた生活用品についても及んでいます。

 かつての台湾の生活用品は実用一辺倒な、悪く言えばダサい物に溢れていました。文創はこうした風潮に一石を投じ、あらゆるもののカルチュア化が進みました。特にその影響が大きかったのは文具ですが、家電や雑貨にもその影響は及んでいます。おそらくこの背後には、無印良品に代表される日本のムーブメントも関係しているはずですが、シンプルかつおしゃれなものが格好いいという雰囲気が台湾にも随分広がりました。

 こうした文創の流れは、かつてお硬いイメージを持たれた企業にも広がっています。今日ご紹介するのは、こうしたお硬い企業の「文創」です。

 

 

 その企業とは、台湾電力です。そう、みんな大好き「Tai Power」です。台湾電力でもこの文創を近年積極的に推進しています。その代表的な商品を今日ご紹介します。

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 見てくださいこのマンホール。直径十センチほどのマンホールです。

 おわかりのように、コースターです。このコースター、発電に利用した燃えカス、つまり灰をコンクリ化してコースターにしたという一品です。420元(1500円!)というお高いのですが、質感は十分です。なんでもこの一品、去年の株主総会でお土産として配られ大変話題になったとか。

 実はもう少し安いものもございます。2組350円のもございますが、白色なので質感という点ではちょっと落ちると思いますが……。

 あとで清水さん(id:aqua_161)と話をしていたら、日本の大阪や姫路など各地のマンホールコースターがあるようですね。

 

(ここに本物のコースターの画像を入れる)

 

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 箱に色々と説明が書いてあります。この灰は林口発電所から来たようです。

 

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 能書きが書いてあります。まあ、環境を考えましょうと書いてあります(ざっくり)。


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 使用感はわりと良さげです。


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 ついでに買ったマグネット。これのほうがマンホールの質感がはっきり出ていますかね。一個80元。

 

 実店舗での販売があるかどうかは今の所確認していませんが、ウェブサイトから購入できます。が、日本の皆さんはお買い求めにくいと思うので、もしほしい!という方が私までコメントなりなんなりでご連絡ください……。

 

www.tpcreativeshop.com