能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(日本旅行記)伊勢参り

 趣向を変えまして、日本での旅の記録です。今夏は広島、東京、伊勢へ旅に出かけまして見聞を広げてまいりましたが、その感想などをちょいちょい述べてまいりたいと思います。しかしながら難儀なものでして、すこし調べものなどしようものなら全く手が止まり、書き進めることができなくなってしまいますので万事簡便にまいりたいと思います。

 

 

 伊勢参り、ないし「お蔭参り」と言いますと、江戸時代から「一生の夢」とか言われていましたが、農民を中心に移動が不自由な時代、「伊勢参り」は他藩他領へ行く手形を発行してもらいやすく、他所へ遊行する恰好の口実となっていたようです。

 伊勢神宮天照大御神を祀る皇大神宮、内宮と豊受大御神を祀る豊受大神宮、外宮の正宮に分かれ、外宮を参拝してから内宮を参拝する方法が正しいとされています。改めていうまでもないですが、皇室にとって最も重要な神社であり、日本の神社神道の中枢と言うべき神社です。

 内宮は宇治、外宮は山田と呼ばれる地域に所在し、それぞれ近鉄鳥羽線五十鈴川駅、山田線宇治山田駅が最寄駅となっています。JRを利用する場合は伊勢市駅が最寄となりますが、その場合はバスの利用が必要です。

 さて、かねてから伊勢参りをしたいと思っておりましたので(といいつつその目的は近鉄の観光特急「しまかぜ」ですが)、遥々伊勢へ行ってまいりました。

 

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 メンバーはいつものKTHDの四人です。四人ということもあり、サロン席を取りました(個室は残念ながら取れませんでした。人気がありますね)。「しまかぜ」は東京、京都、高の原、姫路から四人集まると言うことで京都発列車を取りました。ご存知のように、カフェも併設され軽食もいただける豪華列車です。4ヶ国語の車内案内、車内WiFiなど気合の入った設備が備えられており、特急券の他にも「しまかぜ」特別料金が必要で、京都宇治山田間では特急料金1610円に特別料金1030円が別途必要になります。また個室はさらに1030円必要です。


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 式年遷宮を睨んで2013年に運用が開始され、はやくも6年が経過しています。大阪難波・京都・名古屋を10時ごろに発車し、賢島には13時前に到着します。広軌をゆったりと走る特急で、2時間半あまりの乗車時間はあっという間に感じました。


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 賢島で折り返し、宇治山田を目指します。

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 近鉄山田線はかつて参宮急行電鉄といい、大阪から伊勢神宮への参拝を目的に建設されました。1931年に全通し、その玄関口となる宇治山田駅は壮麗な効果ターミナル駅が建設されました。設計は東武浅草駅、南海難波駅、さらに三宮阪神ビル(そごう神戸店)で知られる久野節です。これらの駅はほぼ同じ時期にできた同期ですが、それぞれ違った個性を持った駅舎でその多彩さに驚かされます。もちろん日本の駅百選選出。


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 天井の高いホールが印象的です。皇族の訪問も多いことから、貴賓室も設けられています。「しまかぜ」用50000系は皇族の参拝にもよく利用されますね。


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 テラコッタタイルが美しい外観。
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 天気も良く青空に映えますね。

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 今年で鳥羽線開業50年らしく、かつての塗装を彷彿させる電車と「神都線」を復刻したバスが並べて展示されていました。


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 向かう途中で見かけた怪しい建築。どうも宇治山田郵便局電話分室だったようです。1923年、吉田鉄郎設計。フランス料理店とチョコレートショップが入っているようです。もうちょっとじっくり見ればよかった。


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 やはり外宮近くにある旅館「山田舘」。1910年代の建築、1927年増築だそうです。この道路にはかつて三重交通の神都線が走っていたようです。なんとこの旅館はいまも盛業中だそう。


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 伊勢うどんで腹を満たし……。参拝を果たしました。なぜか写真がありません。


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 バスで内宮へ。「電気バス」だそうです。
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 内宮の方が広さを感じる境内で、神域に入ってからそこそこ歩いた気がします。
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 伊勢神宮、摂社なども含めれば4市2町125社にも及ぶようで、神宮の中にもいくつかの神社があります。境内に流れる五十鈴川はまさに神域という雰囲気……。


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 最後は赤福氷で〆。ビスタカーで大阪へ戻りました。