能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

「萩の月の偏差値は61.3」(みやげばなし~その2)

都道府県別「定番」おみやげ選手権

先日、アンケート形式で皆様に2つの質問をいたしました。

  1. 都道府県のオススメのおみやげを教えてください(自由回答・複数回答可・空欄可)
  2. 以下に挙げる「定番おみやげ」をご存知かどうかお教え下さい(◯✕回答)

有効回答数が、1が14人、2が15人と非常に少ないので*1、データの信憑性はかなり低いですが、娘の発言だけで某観光都市Kをコケにしたページよりはマシだろうと思いますので、本稿ではこのデータを活用しながら「おみやげ」と観光、コミュニケーションなどを論じていきたいと思います。

 

それではまず、本稿でご回答者の皆様に提示した「定番」おみやげ*2について下記に示します*3

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見ていただければ、北海道の「白い恋人」からはじまり、沖縄の「ちんすこう」まで認知度が比較的高いおみやげが並んでいます。では、これらのおみやげのうち、最も認知度が高かったのはなんでしょうか。

 

結果発表です。

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全54のおみやげのうち*4、1位となったのは、白い恋人萩の月・きりたんぽ・草加せんべい・落花生*5東京ばな奈鳩サブレー信玄餅・おやき・柿の種・うなぎパイ・ういろう・八つ橋・蓬莱の豚まん・きびだんご・カステラ・ちんすこうとなりました。以上は、回答者全員が知っているおみやげになります。

改めて見ると、白い恋人萩の月東京ばな奈鳩サブレーなどは、おみやげとして「固有名詞」として認知されていると思いますが、きりたんぽやカステラなどは一般名詞に近いなぁという感じもします。また、これら上位陣は、同じ地域でも類似商品が多く出回ったり、どこが「元祖」なのかよくわからない商品もあり、「おみやげ」を超えた広がりを持った商品が多いのではないかとも思います。

さらに言えば、草加せんべい・東京ばな奈鳩サブレー信玄餅などは、関東近県の「おみやげ」であり、東京駅などでも簡単に購入することができるものであり、そうした意味でもこれらは広く認知されている要因になっていると考えられます。

この次に、ほぼ全員が知っている「おみやげ」として、赤福・もみじ饅頭が入りましたが、これらも京阪神一円や中国地方で広く購入することができるおみやげであり、都道府県のおみやげを超えた「地域」のおみやげとして浸透していると考えられます。

 

一方で、下位に目を転じてみますと、回答者全員が知らなかった第50位のおみやげは、メロンバーム(茨城)、まほろば大仏プリン(奈良)、金長まんじゅう(徳島)、なんじゃこりゃ大福、チーズまんじゅう(宮崎)の5つとなり、宮崎は認知度アップを狙ったおみやげも認知度が無い結果に終わりました。

これらのおみやげに共通するのは、(金長まんじゅうを除けば)、すべて比較的新しいおみやげであるということです。おみやげの歴史についてはまた次回以降で論じていきますが、広く人口に膾炙する段階に至っていないことが「おみやげ」認知度の下位に沈んだ原因と見られます。

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一方で、比較的歴史がありながらもあまり認知度が高くなかったおみやげが多いのはこの一群になっています。先ほど認知度が0であった金長まんじゅうは1937年発売、小城羊羹は1899年発売、その他にも高度成長期頃から発売されている商品が多いのがこの一群です*6

これらおみやげの知名度が低い要因は、おおきく2つ考えられ、1つはアピール不足、もう1つは他県にも類似する商品があるということが考えられます*7。その県や地域では圧倒的な人気を誇る商品であっても、他県への展開が薄ければ、自然とその認知度は低くなりますし、駅や空港での販売が少なければ、観光客の目にも止まる機会が少なくなってしまい、「おみやげ」としての存在価値が自然に下がってしまうこともありうるかもしれません。

 

では、これらの「定番」おみやげの「認知度」を見ていった所で、次回は自由回答であった各県のおみやげについて見て行きたいと思います。今日の「認知度」と深い関係性がありますので、今日の内容を頭の片隅においてお読みいただきたいと思います。

 

では~

 

 

*1:その上、回答者はほぼ筆者の知人・友人の鉄道・地理に詳しい人々が多いのです

*2:各種旅行・グルメサイトを調査の上、筆者の独断にて決定

*3: 黄色は、はじめに上げたおみやげの知名度が低かったために追加したものです。

*4:正しいかどうか置いといて、無駄に偏差値を算出してしまいました

*5:これはおみやげとして不適切ではないかという指摘あり

*6:詳しくは後日論じます

*7:おみやげと観光地としての関係性についても後日論じます