能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

山陽電鉄のはなし(その0)

 小説とか、随筆とか、論文とか、よのなかのあらゆる文章には、「まえがき」とか「序」とかそういうものがついています。ようするに、その文章を書くに至った理由(内発的、外発的)やその背景について簡単にまとめられていることが多いと思います。当たり前ですが、物語や筋書きの入り口というか、地図が示してあるわけです。

 私がこれまでに書いたごく僅かな記事で2回めの登場となるその0は、いわばその1以降に続く記事の「まえがき」にあたるものですが、これは「まえがき」というよりも、小学生が夏休み突入直後に壁に麗々しく貼り付ける「7月中に宿題をすべて終わらせる!」とか「早寝早起!」とかそういうたぐいのもので、動機やら展望に欠けた「景気付け」のようなものです。種を明かせば、「やる気」だけはあるぞ!とぶちあげているのみなのです。

 

 さて、まえがきのまえおきはこれぐらいにして、本文に入りたいと思います。

 

 

 皆さんは「山陽電気鉄道」をご存知でしょうか。「山陽電気軌道」でも「三洋電機」でもありません。もちろん、「山陽鉄道」でも「山陽本線」でもありません。

 

 山陽電気鉄道。本社:神戸市長田区。創業1907年。営業キロ:63.2km。本線:西代~山陽姫路網干線:飾磨~山陽網干。保有車両数:211両。売上高481億円(H26年度)。東証一部上場(9052)*1

 

 いわゆる準大手私鉄に分類されている鉄道会社で、準大手の新京成・北急・泉北・神戸高速と比較して、経営規模は大きく、営業エリアが広いことがその特徴として挙げられます。

 現在は、神戸高速鉄道を介して、阪急神戸三宮駅阪神梅田駅へ乗り入れており、阪神線へは基本的に「直通特急」として、姫路~梅田間の速達種別として運行されています。

 現在保有している車輌として、おおまかに5000系列と3000系列に分類され、前者は6両編成を主体として、特急に。後者は3・4両編成を主体とした普通に用いられることが多くなっています。

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3000系

f:id:noto92:20150311113231j:plain5000系(5030系)

 保有車両数が200両程度なのに二形式しかないのか。と思われる方が多いと思いますが、ここが山陽電鉄のツボになっています。たとえば、新京成電鉄は保有車両数156両に対して四形式。神戸電鉄は158両に対して八形式*2となっており、山陽の少なさが際立ちます。こう書きますと、山陽電鉄は車両形式が少なく魅力に乏しい会社のようにも思えますが、さにあらず。この2つの形式が非常に細かなバリエーションに区分され、車体の材質・台車・パンタグラフ・室内・灯器など様々な面が細かく異なり、複雑な形式を作り上げているのです。

 

 この実は奥深い山陽電鉄の世界。次の「本文」ではこの二つの形式の細かな分類について整理して述べていきたいと思います。

 

 次回の記事は「お土産」について、を予定しています。帰省シーズン前にピッタリの記事になるでしょう。

それでは!

 

*1:有価証券報告書参照

*2:分類によっては五形式