能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

寄席に行った話

先月末に後輩を引き連れて寄席へ行ってまいりました。そのご報告?をば。この記事は珍しくほとんど画像がありませんが、よろしければお付き合いください。

 

行きましたのは3/28(日)。桜がほぼ見頃になった週末とあってどこも人出が予想されましたが、そのさなかに上野へ。御徒町の「鈴本演芸場」へ行こうということだったのですが、人波が寄せては返す勢いでやや閉口しました。ということで落ち着いているであろう上野松坂屋へ。東京生活も7年目になりますが、はじめてやって来ました。

外観は比較的新しそうではあったのですが、中に入ってみてびっくり。以下の写真からお分かりいただけるように、建物自体は1929年に再建されてから変わっていないようです*1。現在ではレトロな雰囲気のエレベーターですが、80年前の東京ではさぞ近代的な雰囲気を醸し出していたでしょう。

上野松坂屋エレベータ1

上野松坂屋エレベータ2

 

 さて、7階のレストランで昼食を摂ったあとに演芸場へ。基本的に当日券しか無いのですが、前の方は予約のできる団体さんで埋まっており、中程へ。しばらく聞いているうちに満席になりました。

 寄席に来るのは久々だったのですが、お酒を飲みつつ、お弁当やお菓子を食べつつのんびりと楽しめるのが寄席の素晴らしいところ。

 さて本題といいますか、落語の話。昼の部は12時30分から16時30分まであります。こうして聞くと4時間ぶっ通しで落語を聞くのかと思われますが、実際には落語だけでなく、漫才、奇術、紙切、三味線漫談、独楽回しもありますので退屈?しません。おまけに笑いっぱなしなので非常に健康によい感じがします。花見のシーズンなので、話の枕に花見の話題がよくでました。いわく、「花見にも行かず寄席に来るとは賢い選択」だそうで。また、「貧乏花見」も口演がありました。全体にはじめて聞く落語家さんが多かったのですが、巧みな話芸で笑わせて頂きました。トリは春風亭一朝師匠の「宗論」。

 全体に花見の華やいだ、はしゃいだ雰囲気を感じさせる寄席でした。なかなか落語の話をブログに書くことは難しいのですが、先月上方落語の至宝、桂米朝師匠が亡くなられたのでその話も追々。では簡単ですが、ここいらで失礼いたします。

 

 

 

 

*1:あとで調べてみると、設計者は鈴木禎次。彼はとくに松坂屋の設計に大きくかかわり、「百貨店建築の名手」とも評価されています。『INAX REPOAT』2009年8月、第180号、http://www.inaxreport.info/data/IR180/IR180_p04-16.pdf