能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

 (台湾ニュース)「IQ180と話題の台湾のIT担当大臣!オードリータンはトランスジェンダー!? 経歴は!? 調べてみました!」

①:78歳のIT担当大臣、ネットで議論に

 内閣改造(第4次安倍晋三改造内閣)でございます。政権にとって、改造は諸刃の刃となります。これまで曲がりなりにも務められてきた人から、場合によってはどこの馬の骨ともわからん人間に、いろいろな兼ね合いから大臣の椅子を任せなければならないことがあります。こうした馬の骨は、往々にして政権にとって致命傷となることがありますし、派閥色の濃い人事は、当然に国民は敏感に反応しますし、大きな批判を呼ぶことがあります。
 さて、大変申し訳無いのですが今回の内閣改造における「馬の骨」枠、おそらく78歳の科学技術・IT担当大臣の竹本直一氏で決定でしょう*1
 78歳とご高齢ながらIT担当大臣として起用された理由は「スマートフォンを使ってSNSを操作できるから」という日刊スポーツの真偽不明な報道もあります。さてこの話が出てきてから、竹本氏に関する情報が色々飛び出してきましたが、どうもIT担当大臣に関わらずはんこ議連の会長であるとか、HPにつながらないとか、公式You Tubeの高く評価した動画が不穏であるとか話題になっています。
 そんななかで、この馬の骨と較べて!と言っては失礼なのですが、話題になった方がいます。台湾の政務委員(無任所大臣)である、唐鳳(オードリー・タン)氏です。今日はこの唐氏について調べてみたいと思います。

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唐鳳(オードリー・タン氏)、ウィキメディア・コモンズより

 

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(近代建築探訪)「台中駅舎」

 台中は現在、人口約280万人を擁し、台北・新北に次ぐ第二の都市として市区の改造に専心しています。現在の台中市は、2010年に旧台中市と旧台中県の合併によって生まれたもので、言ってみれば名古屋市と愛知県が合併し、愛知県全土が名古屋市になるという思い切ったものです。こうした市県の合併は、高雄市(高雄県)、台南市(台南県)、新北市台北県)でも見られます。

 そのため、台中には日本時代の建設された古跡と、2000年代以降に建築されたモダンな建築が並存する建築好きとしては心踊る街となっています。

 

 

 この近代と現代の融合が見られるのは、街の玄関でもある台中駅です。現在、高鉄の台中駅が開業したため、かつてのような正面玄関の役割は譲ったともいえますが、まだまだ交通の要所であることには変わりません。それはこの駅舎の構えからも読み取ることが出来るでしょう。

 

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 日本統治時代に建てられた旧駅舎は、1917年に竣工したものです。駅舎としては二代目で、2016年までの約100年間駅舎として使われました。

 この駅舎は、台湾総督府鉄道部工務課の設計です。時期的にもいわゆる「辰野式」に分類される赤煉瓦と化粧石の組み合わせが美しい駅舎です。

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 駅舎内もまた、立派な柱に大理石の床、開放感のあるホールと大規模とは言えないながらもいたるところに格調の高さを感じさせる作りです(現在内部の見学はできません)。

 

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駅舎だけでなく、ホームの柱や上屋まで繊細な細工が美しいです。現在、旧駅舎は駅舎としての活躍を終え、ホームも一部だけ保存されています。

 

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 まだ工事中ではありますが、そのうち修復され往時の輝きを市民に伝え残してくれることでしょう。

 

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  さて、これに代わる新たな駅舎は台湾一巨大な駅と言えるでしょう。高架化されたホームに大きく屋根が掛けられた姿は、先立つ潮州や屏東駅と同じように感じますが、そのスケール感と広々とした空間には圧倒されます。

 

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 JR大阪駅のような縦への広がりを強調するこの空間は、高架化され東西への移動利便性を向上させ、バスタクシーロータリーの一体化も含めた総合的な駅舎となっています。

 

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 コンコース前の広場から市内バスの乗り場が直結する手法は、ペデストリアンデッキの拡張ながら、機能的に映ります。

 

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 過去と未来が並び立つ様は、台中市の街としてのグランドデザインを象徴するかのようです。

 新駅舎の設計は、張樞建築師事務所+台灣世曦工程顧問(股)公司+中興工程顧問。張樞は、花蓮駅や猫空ロープウェイの駅舎を手がけ、各地の地下鉄などの設計に注力する建築家です。

 この愉快な台中については、また今後も取り上げていきたいと思います。

 

 

(台湾ニュース)「韓國瑜高雄市長、東大教授らへの遅刻発言で大炎上」(補遺)

 

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 この件ですが、なかなか台湾ネットも収まりがついていません。

 公式的には「伝達ミス」で片付いたこの件ですが、まだまだネット有志の検証が続いているという感じで、その中から面白いと感じた小ネタをご紹介します。

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(台湾ニュース)「郭台銘氏、国民党離党。総統選挙へ→やっぱりやめました」(台湾政治外交)

 先日の記事でもたびたび言及していましたが、来年の台湾総統選挙を睨み、国民党「名誉党員」で国民党の総統予備選挙立候補者、鴻海グループ元会長の郭台銘氏が本日国民党の離党を発表しました*1

 郭氏はこれまで、新たに台湾民衆党を立ち上げた台北市長の柯文哲氏との協力関係が知られており、台湾民衆党から総統選挙への立候補も取り沙汰されています。しかし、郭氏はいまだに明確に宣言はしておらず、17日には表明すると発表しています*2。→台湾時間16日午後11時に突然不出馬を宣言しました*3。ますますわけわからんことになってきましたね…。続報を待ちます。

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(台湾ニュース)「高雄捷運、潮州延伸へ?」

 

notoya.hatenablog.com

 

 昨日の記事で、蘇貞昌行政院長が南部を訪れ、高速鉄道の屏東延伸を発表したことを書きました。これがどうも「Google Chromeおすすめ記事」かなにかに入ったようで、普段の数倍の閲覧が有りました。

 

notoya.hatenablog.com

 

 この記事を書いたときもどうもそうだったらしく、普段の30倍という数字になり度肝を抜かれました。Googleの影響は恐ろしいですね。

 閑話休題蘇貞昌行政院長の高鐵延伸発表は事前に予測されていたので、前日までにすでに多くの記事が出ていましたが、今日初耳であったお話が別に有りました。高雄捷運(メトロ)紅線の潮州延長計画です。

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撮影 id:aqua_161

 

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(近代建築探訪)台北市中正区「旧三井物産台北支店」(土地銀行営業部)

 

 台北駅からほど近い場所に、公園(二二八和平公園)があり、そこには国立台湾博物館があります。この博物館はもともと台湾総統府によって建設された博物館でしたが、この周囲には多くの歴史的建造物が残されています。総督府からも台北駅からもほど近いこのエリアは、おそらく東京の日本橋や丸の内といった風情の街だったのでしょう。いまは少しずつ変貌を見せつつありますが、いまでもこの地域は多くの銀行が本店や支店を置く銀行街になっています。

 その博物館前にひときわ目立つ建築が背中合わせに立っています。ひとつはいかにも銀行建築という堂々とした体躯の日本勧業銀行台北支店、もうひとつはモダンな装いを主張する「三井物産台北支店」です。

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