能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

模型を買わされる。

「〇〇を買わされる」っていうのは、色々あると思います。浄水器とか、霊験あらたかな壺とか、北大路魯山人の器とかなんとか。大概は悪質な詐欺と脅迫まがいの押し付け、あるいは言葉巧みな誘導など…。あまり良いイメージは有りません。でも、たとえば、服飾品のショップに行って服なんてのを見てるとスーッと近づいてきて「どうですかお客様、この商品。ご試着なさいますか?」などと声をかけられると、コミュニケーションにやや欠点がある私なんてのは挙動不審に「あ、え、はい」とか「結構です」とか返すのが精一杯で、うまくやられるといつの間にか姿見の前で自分の足の短さを再確認していたり。結果として、私は財布を開いたりするわけです。このような経験は、皆さんもあるのではないでしょうか。ある時は家電量販店で、デパ地下で…。ただ模型屋にはこういう店員はあまりいないわけです。模型屋の店員も基本的にコミュニケーションに不得手なのかもしれないのですが、そんなことに関係なく、私は私に近づいてきた「人間」の言葉を耳にして、「お財布を開」いてしまう。なんでだろう?一体私は誰の声を聞いているんでしょう。ひょっとして、幻聴なのでしょうか。半分ぐらいは多分そうで、おそらく模型店に入る数時間前、数日前、数カ月前から聞こえます。ありますよね?ただ、最近は本当に、人の声が聞こえるんです。

 

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備忘録:『心が叫びたがってるんだ』を見て

こんにちは、お久しぶりです、能登屋です。

ついついうっかりして丸3ヶ月も留守にしてしまいました。まだおみやげも終わりきってないので、これからしばらくはちょいちょい書いていければと思います。

さて今日はどうでもいいお話です。表題にある通り、公開中の映画『心が叫びたがってるんだ』を見ての感想です*1。ですので、本項目は基本的にすべてネタバレになり、未見の方で、ミステリーは解説から読むというタイプではない方はお読みにならない方が懸命かと思います。

*1:サークルの後輩が熱心に「布教」しているので、他の後輩と見に行きました。彼がいなければこの作品を素通りしていたでしょう。記して御礼申し上げます

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聞き流すだけで「日常系」が覚えられるようになる「スピード日常系」を作れないものか。

今日は「おみやげ」シリーズをおやすみして*1私の個人的な「日常」の思いつきを書きます。

 

ファキンホットな今日この頃ですが、ここ連日外に出、茹で上がる思いをしつつ「チンカチンカのルービー」で身体を冷やしています。今日も今日とて、旧友であるレテ(id:lethe2211)氏と一杯引っ掛けつつだらだらしゃべくっておりました。その際、アニメの話題になりました。私は一時アニメというのをあまり見なくなってしまったのですが*2、最近はまたちょいちょい見ています。その中で「日常系」*3という作品群についての話が出ました。近作だと「のんのんびよりリピート」や「がっこうぐらし!」「ハローきんいろモザイク」などが該当するでしょう。

私はかねてから、この「日常系」と呼ばれるアニメになぜか苦手意識を持っていました。「日常系」は、「あずまんが大王*4を端緒として、「らき☆すた」や「けいおん!」などをその代表とし、2000年代中後半から2010年代前半までのこの10年間ですさまじい拡張を見せてきました。私もその作品を逐一追っていたわけではないのですが、アニメから少し離れてしまう前まではあまり違和感なく視聴していました。しかし、最近離れていた時期に録り貯めていた「日常系」作品を見返していると、なんとも言えない心地がしました。物足りなさというと語弊がありますが、落ち着かなさが。

ははあ、これが老化なのだな*5。などと思っていましたが、今日のレテ氏との会話の中で、これが必ずしも正しくないということに気が付きました。師は「日常系とは、少し疲労した後に見るのがいいんだ。働いたあとなどに」と言い、「まとめて見るからダメなんだ」と諭しました。

確かに、wikipediaにも、「日常系」の特質として、「物語性の排除・萌え系の美少女に絞ったキャラクター配置・虚構への現実の混入」をあげており、この「物語性の排除」が「違和感」の根本的な原因であったように思えます。有り体に言えばキャラクターの「目的意識」の欠如が、大きな物語を喪失させ、シリーズ全体の「緩急」が十分に感じられない(それが「日常系」の良さですが)ために、初見で長時間連続して見続けるには「私の」集中力が持たない、という事象であったように思えました。思い直して一話一話を見つめ直せば、凝縮された「日常的」な会話風景ややりとりが細かく感じることが出来ますが、マラソン的な視聴ではその息遣いが十分には体感できなかったのでしょう(私には)。

というわけで、私の「苦手意識」の根本は、その視聴方法に問題があり、「日常系」の醍醐味をスルーしているところにあることが理解出来ました。以降は、一話一話を丁寧に、ある程度落ち着ける環境で身体を楽にして「日常系」に取り組んでいきたいと思います*6

 

他愛もない話でしたが、次回はまた「みやげ」です。

 

 

*1:近日予定として、おみやげの歴史・おみやげと観光地・おみやげと「パクリ」などが予定されています

*2:「仕事」が立てこんでくるとなぜか見られなくなる

*3:今回はロクな参考文献を引いていないので問題がありますが、みんな大好きwikipediaを見ると、空気系という項目に「主にゼロ年代以降の日本のオタク系コンテンツにおいてみられる、美少女キャラクターのたわいもない会話や日常生活を延々と描くことを主眼とした作品群。日常系ともいう」との記述がありました。ありがとうwiki。だが金はやらんぞ

*4:ニコニコ大百科参照

*5:声優が若返っていて声が覚えられないとかそういう本格的老化現象なのかとも思った

*6:これまでも苦手意識はあるけれども決して嫌いなわけではなかった

日本一旅館業者が少ないのは奈良ではなく佐賀。ついでにいうと滋賀も少ない(みやげばなし~その3)

都道府県「定番」おみやげ選手権その2

前回はこちらが提示したおみやげの知名度を測る形で定番のおみやげが何かを尋ねた結果を提示しました。今回は、自由回答形式で募集したおみやげをご覧頂きましょう。

下図は、そのなかで二票以上を獲得したおみやげたちです。今回は、一票のみのおみやげは省略しました。

順に見て行きましょう。 

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1位は9票を獲得した京都の「八つ橋」です。以下、白い恋人(北海道)・もみじ饅頭(広島)・うなぎパイ(静岡)が8票で2位に続き、信玄餅(山梨)・レモン牛乳(栃木)・ちんすこう(沖縄)・きびだんご(岡山)が続きます。八つ橋選手(京都代表)は前回調査に続き二冠を達成し、「魅力ある京都」を見事に体現しました*1。このなかで気になるのは、前回35位の栃木県と46位の富山県がそれぞれ2位レモン牛乳(栃木県)と10位白えびせんべい(富山県)で入賞したことでしょうか。これらの県では、先日あげた「御用邸チーズケーキ」と「甘金丹」よりもこの2つがおみやげの「定番」といえるのかもしれません。

 

つづいて、都道府県別の集計です。総合得点の横に、前回調査時の順位を付しました。

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これをみていくと、北海道の圧倒的な強さが目立ちます。2人平均で2品を挙げていることになり、また先に上げた票を見ると、複数が高順位につけているのが特徴です。また、10位以内では前回調査でも上位に付けた県が並ぶのが特徴ですが、福岡・愛媛・富山は順位を大きくあげました。その要因として、福岡は「おみやげ」として「明太子」(15位)・「博多通りもん」(23位)と中位クラスの土産が複数入ることで、総合的な特典を押し上げました。これは愛媛も同様の傾向があります。富山は先に見た「白えびせんべい」が高い評価を得た結果大きく順位を上げました。

逆に、前回調査げ比較的高順位につけながら下位に沈んだ県としては、東京(前回1位、今回35位)、長崎(前回1位、今回23位)が目立ちます。東京は、そもそもおすすめの「おみやげ」の回答数が少なく、ひとつに絞り切れないか、「東京のおみやげ」という認識自体が希薄である可能性が考えられます。また、長崎は「カステラ」に回答が集中しましたが、「カステラ」は東京でも買える、といった意識が働いた、という可能性も考えられます。

さらに、両方共下位に沈んだ県は、宮崎、滋賀、群馬、青森、大分、佐賀、島根、徳島、鳥取、和歌山になりますが、とくに大分(前回38位・今回42位)、佐賀(前回46位、今回42位)、島根(前回38位、今回42位)、徳島(前回50位、今回42位)、鳥取(前回33位、今回42位)、和歌山(前回43位、今回42位)となりました。

こうした要因として、そもそもこれらの県に旅行へ行く回数が少ないのではないのか、という疑問が立ちます。

試みに、JTBの調査「都道府県別の日本人延べ宿泊者数および日本人観光入込客総数」をみますと*2、2013年度における大分県の宿泊者は、630万1千人泊、佐賀:258万2千人泊、島根:325万5千人泊、徳島:222万4千人泊、鳥取:349万3千人泊、和歌山:425万5千人泊となりました。また、国土交通省による「宿泊旅行統計調査(平成26年1月~12月)」を見ると*3、延べ宿泊者数の下位は下から、奈良・佐賀・徳島・高知・鳥取・島根・香川となっています。

つまり、大分県を除けば、これら2つの「おみやげ」調査下位に沈んだ県は、そもそも訪問先として選好されにくい傾向にあるということがわかってきます。これは考えれば当たり前で、行く機会がなければおみやげを知る機会も少なくなるという話です。ただ、果たして問題はそれだけなのでしょうか。逆に考えれば、「おみやげ」に象徴される「名物」として希薄な県が、旅行先として選好されにくいということも言えるのではないでしょうか。

 

その辺りの話は、また次回で述べていきたいと思います。

 

では~